記事の内容
こんにちわ、メタです Follow @kyogoku_meta
日本人なら聞いたことはある言葉、「式」。
今回は「式」「式神」について、深掘りしてみます。
- 「式」という言葉の概念、本質がつかめる
- 「式神」という怪しげな言葉の意味も分析できる
- 言葉、概念の成り立ちに迫ることができる
「式神」なんてことを真面目に、理屈をもって分析できるなんて...
私には、まずそこから驚きでした。
それでは、目次をご覧ください。
「式」という言葉の本質は?
さて、式という言葉、結婚式や数式など、日常でもよく使われています。しかし、その「式」という概念の意味、よく考えたことはあるでしょうか。
今回は、「式神」という一見怪しげな言葉を分析し直すことで、「式」ということの本質に迫ってみます。
博覧強記な京極夏彦
京極夏彦氏のこの本が、「式」について参考になりました。まとめさせてもらいます。
本書ではこんな具体例が示されます。
紙とハサミが目の前にある。ハサミの使い方を知らなかったら、紙を切ることはできるだろうか?
できない、が答えです。
使い方を知らないものには、ハサミでさえ魔法に見える。
そう、もともと「道具」や「技術」とは、知らない人々にとっては、魔法だったのです。
そこで、道具と「式」の関係はこのようになります。
式とは一定の規範に従って行為すること
ハサミ・・・呪具
使い方・・・作法というのが式
紙を切る行為・・・式を打つこと(呪術)
なるほど、式とは「使い方」なんですね。
さらに、京極氏の考察は続きます。
上の考え方は、道具すべてに当てはまる。
道具には、必ず使い方がある。
どんなに魔法に見えるような道具でも、それは自然科学の法則の中での話にすぎない。よって、道具とは第二の自然であると考えられた。
当時は、自然が畏怖されたように、第二の自然である道具も、その道具を使う者も畏怖されたのだ。
その畏怖と言う意味づけこそ、式神や陰陽師の定義につながった。
式の意味に納得
「式」という概念の本質を知れたと思います。たしかに深いですね。それに、「式神」「陰陽師」などとの関連も知ることができました。
式神なんて聞くと、一見、昔の人の単なる妄想だと片付けてしまいがちです。しかし、ちゃんと「式」という言葉の本質には理由があり、そして現代まで残っているものなのですね。
やはり、概念の成り立ちがわかると、その言葉の意味もよりつかめる気がします。
言葉の成り立ち、言葉そのものへの興味がもっと出てきました。
さらに、民俗学や宗教学の観点からも、こうした言葉の成り立ちについては面白そう。そして、やはりカギになるのは人間の認知の仕組みでしょう。
あらためて思いますが、京極堂の説明はいいですね。今回の説明に関心が持てた人は、ぜひ京極夏彦の作品を読んでみてください。
「式」と「意識」関係あるんじゃ...
式とは「使い方」である、ということがわかりました。
使い方、か...
少し思い当たることがあります。
私は、心理学、科学、哲学などの観点から、意識の謎にも興味があります。以前に、受動意識仮説と「式」について考えました。
それに、「式」とは現代の言葉でいうならば、「アルゴリズム」にも近いのかもしれません。抽象的な計算手順のことなのですから。
アルゴリズムと意識の謎の関係性を研究する試みとして、次の記事がおすすめです。
おすすめ記事
さらに、式を抽象化すれば記号になり、使い方を抽象化すれば論理になると言えるかな? 今回考えたことと、記号、論理との関連についてもっと考えてみたい。うーん、難しそうだけど。関連としては次の記事があります。おすすめです。