好きをブチ抜く

「好き」をブチ抜く

本、映画、科学、哲学、心理、すごい人の考え方など。あらゆる情報を編集したい。

色彩 × 怪奇 があなたをトランスへ導く 映画感想「ネオンデーモン」

ここがすごい

  • 色彩と怪奇の融合
  • 予想できないストーリー
  • 女性の綺麗さと怖さ
  • トランス、トリップ

 

これら要素にピンとくる方にオススメ。パッケージのイメージと裏腹に、かなり強烈な映画です。ショッキングなシーンもあるので注意。

 

あらすじ

誰もが目を奪われる特別な美しさに恵まれた16歳のジェシーは、トップモデルになる夢を叶えるために、田舎町からロスへとやって来る。すぐに一流デザイナーやカメラマンの心をとらえチャンスをつかむジェシーを、ライバルたちが異常な嫉妬で引きずりおろそうとする。やがて、ジェシーの中に眠る激しい野心もまた、永遠の美のためなら悪夢に魂も売り渡すファッション界の邪悪な毒に染まっていく―。

filmarksより

 

ネオン・デーモン [Blu-ray]

ネオン・デーモン [Blu-ray]

 

 

 詳しいストーリーや解説などは次が参考になります。ネタバレは任意で。

mypace-night.net

theriver.jp

 

 

感想

 

色彩 × 怪奇


とても楽しめた「ドライブ」の監督作品。
エル・ファニングは、透けてしまいそうな雰囲気が魅力的。個人的には、「ダークシャドウ」で可愛かったベラ・ヒースコートの姿を見れたのが良かった。


・音と映像 トランスへ
非常に映像が印象的。光と暗闇が、規則的な音楽とともに切り替わっていく。その合間合間に、ぞくっとするような女たちの表情が表れる。赤い色に染まる彼女らの顔面は、とても綺麗でもありどこか怖かった。「赤」は、その後の展開の暗示なのだろうか。三角形などの記号的表現も見られた。どんな意味だったのだろう。

これら色・音が、観ている者をトランスへと誘導していく。日常から非日常へと移ること、そして、その非日常な状態こそ、トランス状態である。映画「シェイプオブウォーター」では、液体的表現がトランス的だった。この映画では、色と音が誘導を始める。意識から無意識へ。そんな無意識の領域の表現として、人間の強い欲求が見えてくる。この映画では、それは「妬み」だった。


・結末は無い
後半になるにつれ、どんどん話がわからなくなる。

トランスを表現するために、人間の物語構造そのものを壊したかったのか。人は理解できるストーリーに親しむ。これが日常なのだとしたら、非日常へとトリップさせる方法が浮かんでくる。この映画では、終盤にかけてストーリーがなくなっていく。断片的ないくつかの映像、怪奇的・禁忌的な描写の数々、どれも非日常的だ。とくに、唐突に禁忌的なアクションがやってくる。これには、面喰らうとともに、どこか意識をずらされてしまう感じがした。

そして、そこにはストーリーがない分、明確な結末も無い。見た後にいったい何が残ったのだろうか。彼女はどうなってしまったのだろうという疑問すら、何か他のものに覆い隠されてしまった気がする。かなり体験的な映画だな、と感じた。

 

 

 

 

こちらでも無意識、トランスについて考えています。よかったらどうぞ。

interaction.hatenadiary.jp

interaction.hatenadiary.jp

 

 

 

filmarksやってます

映画レビューアプリとしておすすめです。

filmarks.com