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【わかりやすい十分条件・必要条件】 混乱・違和感はどこからくるのか

十分条件、必要条件

今回は、数学の話題です。

必要条件、十分条件、高校で習いますよね。最近、ある本を読んでいて改めて考えたくなったので、まとめたいと思います。当時、ひっかかっていた違和感の正体にせまりたい。

 

・必要条件、十分条件の意味は?

・「十分条件であるが必要条件ではない」という日常での言葉など、日常にも活かしたい

・問題文を読むとなんだかわからない

・形だけの暗記で解いてしまっている

 

こんな人の役に立てるような記事にしたいと思います。こちらの本からです。

数学と方法――もっと数学が好きになるヒント

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必要条件、十分条件の意味

この本での、必要条件、十分条件の説明はこうだ。

あることPが成立するために必要な条件を、Pであるための必要条件といい、それが満たされれば十分「Pである」と言える条件を、Pであるための十分条件という。

 形だけではない意味を重視した説明である。

 

教科書的な説明はこう。

「PであればQである」が成り立つ時は、

PはQであるための十分条件、QはPであるための必要条件。

 

QはPであるための必要条件、この説明をこの本では対偶を用いて納得させてくれる。

「PであればQである」が正しいとき、対偶「QでなければPでない」が正しいので、QはPが成立するために必要。

 

 

十分条件、必要条件の意味はわかっていたつもりだった。しかし、問題を解くときにどこか違和感を感じていた。その正体に迫りたい。その違和感のポイントとして、この説明のある部分を強調したい。こう治したい。

 

あることPが成立するために必要な条件を、Pであるための必要条件といい、それが満たされれば十分「Pである」と言える条件を、Pであるための十分条件という。

 

これを念頭に、問題文を見てみる。

 

 

私の違和感は、問題文のせい??

 

【例題】
xは実数とする。
①p:xは奇数 q:x=7
②p:x(x-1)=0 q:x(x-2)=0
③p:x=5 q:x³=125
④p:x=1 q:x³+x²+7x-9=0
⑤p:x=2 q:x⁴=16

以上の①〜⑤に関して、それぞれ
A:pはqの必要条件だが、十分条件ではない
B:pはqの十分条件だが、必要条件ではない
C:pはqの必要十分条件である
D:pはqの必要条件でも十分条件でもない
のどれが当てはまるか答えよ。

 

 

選択肢AとBに注目する。

A:pはqの必要条件だが、十分条件ではない

 

かきなおしてみる。

A:pはqであるための必要条件だが、十分条件ではない

 

 

Aの問いは、「PはQであるための必要条件か、十分条件か」ということ。しかし、Bでも聞いてることは「PはQであるための十分条件か、必要条件か」だ。

 

どちらも条件Pを主語にしている。しかし、教科書で習う説明文そのままを見ると、

 

「PであればQである」が成り立つ時は、

PはQであるための十分条件QはPであるための必要条件である。

 

Pは、Qは、と主語が変わっているのだ。

 

にもかかわらず、問題として出てくるときは、「Pは〜」という形で固定されている。この言葉が違和感の元になったのだろう。言葉による混乱だ。

 

わかりやすく直してみる。

 

「仮定Pであれば結論Qである」が成り立つ時は、

仮定PはQであるための十分条件結論QはPであるための必要条件である。

 

P、Q単独で考えるから違いが見えにくい。そうではなく、PとQの関係に注目する。そこには、仮定と結論という関係がある。

「仮定Pならば結論Qが真」であるときに、仮定と結論に成り立つ条件が十分条件、必要条件なのである。

だからこの関係のとき、十分条件の主語に来るのは仮定P、必要条件の主語に来るのは結論Qなのだ。

 

なのに、問題文では、

A:pはqの必要条件だが、十分条件ではない
B:pはqの十分条件だが、必要条件ではない

こう聞いてくる。これでは、pが十分条件、必要条件、両方の主語になっていてなんだか分かりづらい。やっぱり、この問題文の聞き方が混乱を生む元だと思う。

 

 

私は、必要条件、十分条件のちゃんとした意味の理解がやや足りないことに加え、説明文、問題文の言葉の使い方に反応しすぎていたのだろう。だから、答えを求めることができているし、十分条件、必要条件の意味は納得できているのに、問題文を見ると違和感が残っていた。

 

 

日常言語と数学のギャップ

日常の言葉による説明なら、十分条件、必要条件は普通にわかると思う。

 

例えば、人であることは、生命であることの十分条件。生命であることは、人であることの必要条件。人と生命の推論関係では、「仮定:人ならば、結論:生命が真」になるということが誰でもわかる。

 

この意味がもちろん基本なのです。しかし、数学の問題文に出てくる文を読むと、この日常の感覚で読みづらくなる。簡略化されたPやQといった記号たちが意味を忘れさせようとしてくる。ここに混乱が生じる可能性がある。

 

問題文の日本語の問題でもあると思う。

 

 

現役高校生、受験生に送りたいアドバイスするなら次のように言いたい。

 

対策としては、言葉の意味をしっかりと把握すること。

そして、式だけではわかりにくい時には、集合の包含関係で視覚化して考えること。意味がわかっていなければ、集合による視覚化もできないのでちょうどいい練習になる。

 

これを念頭に、問題を解いてみてほしい。