日本の高校生は自己肯定感が低い?
「日本の高校生は自己肯定感が低い」というテーマで、社会学者の宮台真司氏が述べていた意見が興味深かったのでまとめてみます。
・自己肯定感
・他者との絆
・損得人間はクズだ
・自己決定
これらテーマに触れています。彼の主張の概要をまとめます。
宮台氏の主張
自分は価値のある人間か?という質問に対して、イエスと答えるのは、
日本 9.6パーセント
米 53パーセント
中 27パーセント
韓 48パーセント
親と居て楽しいかどうか、親を尊敬しているか?
これも日本のデータは悪い。
自己肯定感が高いほど、親、教師との関係が濃密になる。
自分はちゃんとした人間だ、と思うから、他人に対しての振る舞いも損得ではないぞ、貢献するぞ、となる。
自己肯定感が低いと、クズになる。親、教師と絆を結べない。
親、教師との絆を結べないから、損得人間になる。
損得を超える人間をどう作るか!!!
褒められるから、成績良くするためとかではない。
人がなんて言おうが、自分のやりたいことをやる。
これを親、教員が素晴らしいと言ってあげる。
自己決定が大事。
君の参考になるように、親も教員もいろいろ言うが、最後は君が決めるんだ。
自分で自分のこと決められてる??
自己肯定感は、自己決定という行為と密接に結びついている。自分でやりたいことをやると決めて、やり遂げられる人間は、当たり前だが自己肯定感は強いのだろう。これは、自分で自分のことを認められているか、自分に自信を持てているかどうか、にも密接に関係している。つまり、あなたの人生にとって、とても重要なポイントだと言える。
宮台氏の言うように、教育を自己決定を促すように変えなければならない。
私が体験した教育は、上から目線であれこれやりなさい、その通りにしたらえらいよ、褒められるよ、というフレームだった。生徒の自主性を重んじるとはいうが、実際には、社会や教員の無意識的な価値観に子供達は縛られてしまう。もちろん、日本社会全体がそうなのだから、教員だけに責任を押し付けるのはどうかと思うが。
成績をよくするために勉強する。
親に褒められるから勉強する。
思考・行動の回路が、完全に損得に染まっている。
自律的ではなく、他律的だ。自分の人生を他人に委ねている。その積み重ねが、損得行動を当たり前にしてしまう。これが、損得人間、そして自分を認められない人間につながる。これが、現状の教育なのだ。それこそ、人と絆を作る力、損得を超えた恋愛関係を作る力を失わせている、と宮台氏は指摘する。
宮台氏の主張のエッセンスは、最近のこの本がわかりやすい。是非読んでみて欲しい。
自分のために人生を作る
宮台氏は「自己決定」こそが大事だ、と強調する。他人から何と言われようが、自分がしたいことをする。だからこそ、教師や親は、自分のしたいことをしている子供を激励してやればいい。
これには、とても共感できる。何よりも自分の人生で大事なことは、自分の人生を自分で決めることだろう。これが、真に自由な生き方につながる。社会における損得などの外部のフレームに、骨の髄まで支配されたままでは他人の操り人形だ。自分がない。
自己決定が大事だ、と言葉では簡単にいえる。しかし、これが難しいのだ。「自分で自分のことを決める」これができていない人間はとても多い。それが、社会的な調査データに表れている。
とにかく、自分で自分のことを決めるべきだ。
その考えるための道具として、宮台氏が思春期の青年たちに書いた本がこれだ。もちろん、大人が読んでも考えさせられる教養が詰まっている。
ガクトさんも似たようなことを言っている。彼は、まさに自分の人生を生きている人だと思う。
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宮台真司、落合陽一氏の対談についてもまとめている。現在、2回対談が実現しているが、今後もぜひ続けてほしい。
追記
本ブログが誰かの自由につながったのなら、うれしい。