記事の内容
ついに公開されたスターウォーズ新三部作最終章。
「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」
早速見てきたので、感想、考察を考えていきたいと思います。
「スカイウォーカーの夜明け」というタイトルについて、レイ、カイロレン、ルークという三人の視点から考察してみようと思います。
それでは、目次をご覧ください。
ネタバレが含まれますので、まだ見ていない方はご注意を。
スカイウォーカーの夜明け あらすじ
はるか彼方の銀河系で繰り広げられる、スカイウォーカー家を中心とした壮大な<サーガ>の結末は、“光と闇”のフォースをめぐる最後の決戦に託された──祖父ダース・ベイダーの遺志を受け継いだカイロ・レン。伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーの想いを引き継ぎ、フォースの力を覚醒させたレイ。そして、R2-D2、C-3PO、BB-8 ら忠実なドロイドと共に銀河の自由を求めて戦い続ける、生きる英雄レイア将軍、天才パイロットのポー、元ストームトルーパーのフィンら、レジスタンスの同志たち...。さらに、ハン・ソロの永遠の好敵手ランド・カルリジアンもエピソード・シリーズでは『スター・ウォーズ エピソード 6/ジェダイの帰還』以来の再登場。果たして、彼らを待ち受ける運命とは?そして、いかなるエンディングを迎えるのか?
filmarksより
以下ネタバレが含まれます!!
自分の名を決めるレイ
自分の出生の秘密をついに知るレイ。
なんと、あのシスの皇帝パルパティーンの孫だということが明かされる。ここは、予想内の展開だろう。
これまでの描写のように、レイは自分が善悪のどちらにいる人間なのか、葛藤する。しまいには、シス特有の手から電撃まで、無意識的に出してしまうのだ。
その結果、ルークのように島に一人で閉じこもろうとしてしまう。
そこに現れたのが、霊体となったルークだった。ルークはレイを諭す。そして、レイにレイアのライトセーバーを託す。
レイはパルパティーンに自分の跡を継いで皇帝になれと誘われるが、はねのける。一度は倒れたレイだったが、歴代のジェダイたちのメッセージを感知し、ついにパルパティーンをたおす。
彼女にとっての問題は、自分の正体が「シスの血が流れる者」だったということ。そして、ジェダイだけではなく、シスに近いような現象が自分の身に実際に起こっている。
血という誰かに作られた運命を否定し、自分の運命は自分でつくる。ジェダイというフォースによってつながれてきた意思を、彼女自身が選んだのだ。自分はうまれもって~だからという諦めではない。ラストシーンでの彼女の表情には、まさにこれからの自分の人生への希望が詰まっていると思う。
だからこそ、彼女は「レイ・スカイウォーカー」と答えたのだろう。ルーク、レイア、カイロレンというスカイウォーカーという意思をうけとったのだとおもう。
「名=存在」をレイは自ら選択したのだ。
カイロ・レンがベン・ソロに
今作での本当の意味での主人公は、ベンソロ=カイロレンではないだおろうか?
光と闇の間で苦しむさまが描かれていた。そして、レイとの邂逅により、彼女がもつ強さにひかれていく。絆が強くなっていく。レイをダークサイドに導こうとするが、彼女は否定する。再び、彼らは戦うことになる。
このアクションシーンはとてもよかった。波を背景にライトセーバーというのが新鮮。
彼は、その戦いの最中にレイアが死んだことを感知する。そのすきを突かれ、レイにライトセーバーで貫かれてしまう。しかし、レイは癒しのフォースによって、彼の傷を癒す。この完全に敵対していない関係の描き方がよかった。
カイロレンのもとにハンソロの幻影が現れる。自ら殺した父に「自分がやるべきことはわかっているだろ」と諭される。カイロレンは、ついに自分の進むべき道を覚悟する。そして、自身のライトセーバーを投げ捨てるのだった。
カイロレンとしていた場所はずっと暗闇だった。ベンソロに戻るということが、つまり、「夜明け」になるのではないか。彼は、ベンソロとして、レイと協力してパルパティーンを倒す。
彼はレイを助けるために、力尽きてしまう。スカイウォーカーの血筋は、彼で途絶えてしまうことになる。しかし、テーマは、「血」ではなく「意志」だとおもう。ベンソロの意思は、レイに受け継がれた。
「スカイウォーカーという意思」が血に関係なく受け継がれたのだ。これこそが、本当にポジティブな意味での「夜明け」ではないだろうか。
ルークからレイへ
今作では、霊体として再登場するルーク。
彼は、レイを導く。その姿は、ジェダイマスターとしての威厳に満ちていた。それに、ヨーダのような優しいオーラが出ていた。
彼は、レイにすべてをたくす。彼の思いが伝わったこともあり、レイは皇帝との闘いで自分の道を選べたのだと思う。そして、レイは歴代のジェダイたちのメッセージを感知する。これは、ルークと過ごす日々の中で、「ジェダイの意志」を受け取っていたのだからだと思う。ルークはレイに「ジェダイというもの」と伝えることができた。
ここには、「スカイウォーカーの夜明け」という意味だけではなく、「ジェダイの夜明け」という意味もこめられているのではないか?
前作、「最後のジェダイ」にて、ルークの闇が描かれていただけに、ルーク、そしてジェダイの「夜明け」というポジティブさが感じられた。
さらに、血からも自由になれたように、ジェダイの古い慣習からも自由になる、という意味でもあるのではないか。
総括
ストーリーとしては、ひねりもなく、予想内といったところ。
伏線の回収も完ぺきとは言えないかも。それに、スターウォーズ世界のさらなる拡張としても、丁寧さに欠ける。
一本の芯が通っていない三部作になってしまったように思う。そのテーマはなんだったのだろうか?
今作単体でみれば、「生まれではなく自分の意志で」ということになる。しかし、これもスターウォーズにふさわしいテーマかといわれれば、微妙である。
今作の良かったところは、「レイとカイロレン」の描き方だとおもう。なんともいえない「絆」が鍵になっていた。そこに、フォースという特殊効果がくわわり、映像としてもおもしろかった。
しかし、やはり映画はストーリーだと思う。今後もスターウォーズシリーズは続くだろう。そこでは、どんな物語になっていくのだろうか。物語の質を高めてもらいたい。
今作も、賛否両論激しい映画になるのかもしれない。
次の記事では、三部作についての個人的な不満をまとめている。
今作も、音楽はすばらしかったですね。
過去作も見返したくなりました。
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