記事の問いと内容
私は「サバイバル番組」がけっこう好きだ。
見ていてふと思うことがあった。
「進化心理学」という考え方をしみじみと感じたのだ。
自然の中で、人間がその身ひとつで生きぬくことの過酷さは半端ない。サバイバル番組を見ていると、この現実をまざまざと見せつけられる。
だから、この過酷さの中での「進化」という話が自ずと浮かび上がる。過酷な自然で生きていける生物が絶滅せずに続いているのだ。
もちろん、人間もそうだ。
だから、進化によって人間の心もデザインされてきたという進化心理学の考え方が自然に感じる。サバイバル番組で目にする状況に、私たちの「心の起源」が見え隠れしているように感じたのだ。
サバイバル番組をみて実感させられることと進化心理学の関係とはなんだろう。この記事では、この疑問を考えたい。

裸でサバイバルとか超過酷。
自然で生きることの過酷さ
ディスカバリーチャンネルにて公式配信されているサバイバル番組。このようなサバイバル番組を見たことがあるだろうか。
サバイバル番組が始まると、まずは、水と寝床の確保を優先する。その次に、火、食料の確保にすすむことが多い。
しかし、まず最も大切な水の入手からとんでもなく難しい。
川がなければ雨を待つしかない。あとは、湧き水などだ。そう簡単に水が出る場所は近くにあるとは限らない。それに、基本的に火で煮沸する必要もある。
そして、「火」を起こすのがこれまた大変なのだ。丸一日かかっても火が起こせないこともある。火がなければ、火で調理することができない。安全な水、食料にありつくことができない。
さらに、火は体温低下を防いだり、蚊や動物から身を守るためにもかかせない。自然の中では、人間も動物たちの捕食対象になるのだ。リアルに「命の危険」がすぐそばにある。いつ命を落とすかわからないまさに弱肉強食の世界である。
私たちの祖先も、そんな命の競争の世界で生き抜いてきたのだな、と感じる。猛獣たちに狩られる恐怖と、私たちの祖先は隣り合わせに生きてきたのだ。
いろんな生物たちが自然のなかで生きるために進化してきた。同様に人間だって、これほど過酷な自然を生き抜くために変化してきた。適応できたから人類は現在繁栄している。
「進化」という概念へと、話をすすめよう。
進化心理学とは?
たびたび、「進化心理学」についての本を読み、このブログでも紹介してきた。
簡単に言うならば、
「脳=心」も進化の産物である
というものだ。
「私たちの心の傾向も、祖先が生き残り・繁殖するうえで有利だった性質の“進化の産物”として説明できる」という視点だ。わかりやすい例を見よう。
現代ではカロリー過多で太りやすくなるのに、なぜ人間は、甘くて脂っこいものを強く好むのか?
進化心理学の考え方:
昔の環境(狩猟採集時代)では、カロリーは貴重で、飢えが最大の敵。
高カロリーを欲しがる心理を持った個体ほど生き残りやすかった。
その心理傾向が、今の私たちにも受け継がれている。
とくに、繁殖に関する性質は根本にある。生物にとっては子孫を残すことがもっとも優先的なことだからだ。
自然選択の結果、生き残る確率、子孫を残せる確率が高い性質が脳=心には備わっている。この考え方をベースに、私たち人類がもつ性質を進化心理学は説明しようとする。
・人間社会にはこんな性質がある
・男と女の違いの理由
・人間の心がそう働くのはなぜか
などなど、進化によるデザインという観点から、私たちの習性をうまく説明することができるのだ。
※進化とは、強いものが生き残るという意味ではない。環境とたまたま相性が良くて、結果として生き残れた、という受動的なイメージが正しい。「自然選択」と呼ぶ。その結果、「ある環境で、繁殖に有利な遺伝的特徴を持つ個体がより多く子孫を残し、その特徴が世代を通じて広がる」ことになる。この考え方が進化論だがこの記事では厳密に説明しない。誤解を与える表現が含まれることに注意してほしい。
そりゃ生き残れるように進化するわ
進化心理学のアプローチに納得し辛いひともいるだろう。しかし、サバイバル番組を見ていると、「生物の弱さ、どうしようもなさ」をまざまざと実感させられる。
自然で生き抜くのどんだけ大変なんだよ!!!と。
そんな過酷すぎる自然のなかで、人類は途方もない年月を生きぬいてきたのだ。
そう、人間だって、長い年月をかけて自然に適応するように進化してきたはずだ。なぜなら、適応できないなら文字通りすぐに死んでしまう。それくらい、人間にとっての「生き死に」というものは、本来リアルなものだったのだ。
そのために、現代にいたるまでに途方もない歳月をかけて、少しずつ人間は変化してきた。現在のような生き死にから遠いこの状況こそ、人類にとってはごく最近の話にすぎない。だから、今の私たちからすると、進化心理学の話はリアルにみえないのかもしれない。ここが、この仮説をイメージしにくい理由なのかも。
弱い人間は協力することを選んだ。そこで、社会性がうまれ、男女の役割の違いなども必要になる。過酷な自然のなかで生き残れるように人間は進化したのだ。
私たちの心はそうやってできている。私たちの心の起源が、サバイバル番組で目にする状況に見え隠れしているように、私は感じた。
サバイバル番組の過酷さを見ると、進化心理学の言っていることはとても実感できると思う。
男と女、繁殖
進化心理学でも重要視されるテーマが繁殖である。
生物は基本的に繁殖行動が軸になる。
「人間は繁殖のための機械ではない」などと批判されがちなテーマではある。これは、進化心理学だけではなく、遺伝子を解き明かした分子生物学においても議論されてきたことだ。
とりあえず、この記事のテーマであるサバイバル番組とからめた話をしたい。何度も言うが、とにかく自然の中で生き抜くのはしんどい。常に、死の危険がある。
ここで、一つ愕然としたことがある。
それは、こんな過酷な自然のなかで、繁殖、子育てをしなければいけないのか!!!!!
ということだ。
ただでさえ生きるのが大変なのに、女性は、妊娠出産という過程を経て、長い年月をかけて子育てをする必要もある。
こんな現実をみれば、女性には妊娠出産があるのだから、男女で役割分担をして協力するようになると想像できる。とにかく、どうするればより生存できる確率をあげられるのかがポイントだ。
そうした性質を持つオスメスが生き残り、その子孫が私たちなのだ。だから、男と女には本能レベルで違いがある。
サバイバル番組を見ていても、男と女は自然と役割分担をする。そして、男はこんな行動を取りやすい、女はこんな行動を取りやすい、という傾向が見える。この傾向は、やはり、ある程度は本能に基づくものなのだろう。
男と女の生まれつきの違いという話になると、拒否反応を示す人も多い。
しかし、私たちは、人以外の動物をどう扱っているか?
オスとメスにわけ、繁殖への行動によって、その動物を語るだろう。
宇宙人がヒトを見たら、オスとメス、繁殖という視点から、まずはヒトを描くはずだ。
参考文献
(この記事では、Amazonアソシエイトを利用しています。)



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