【書評】僕は君たちに武器を配りたい 瀧本哲史
20代が生き残るための思考法
東大、マッキンゼーを経て、現在、京大で絶大な人気の瀧本先生が、新しい経済の流れで、自分の力で道を切り開き、ゲリラとして生き残るための「武器」について、投資家としての経験から、語ります!
不安に立ちすくむ日本人が今学ぶべき「本当の資本主義」とは。
【目次】
はじめに
第1章 勉強できてもコモディティ
第2章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
第3章 学校では教えてくれない資本主義の現在
第4章 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
第5章 企業の浮沈のカギを握る「マーケター」という働き方
第6章 イノベーター=起業家を目指せ
第7章 本当はクレイジーなリーダーたち
第8章 投資家として生きる本当の意味
第9章 ゲリラ戦のはじまり
投資家として、社会を分析する視点の必要性を説いた本。
先が見えない!!
どう稼いでいくべきなのかわからない!!
今の仕事をずっと続けても希望が見えない!
これら不安に立ち向かうための武器はないのだろうか??答えが見えないからこそ、どうやって考えればいいのか指針が欲しい。
その武器こそが、投資家として考えるということなのだ。
今回の記事を読み終えると、どうすれば生き残っていけるのか考えるためヒントがわかるはずだ。本書から、いくつかのテーマをまとめてみたい。
本記事のイシュー
答えがない社会において、自分の人生のプランを考えるために、資本主義の本質を理解することや投資家的に考えることはどのように役立つか。
資本主義とは?
一部の「頭のいい人」ではなく、「より安く、よりいい商品」を作る人間が、社会を進歩させるシステムが資本主義。
資本主義がこれほど続いている理由は、人間の欲とマッチしているからだ。さらに、グローバル化が進み、国という囲いが意味をなさなくなる。
そうなると、日本も本当の意味での資本主義にさらされていく。「より安く、よりいい商品」を作る会社が勝つ。この原則が絶対だ。であるならば、日本だけ高い、品質がいいなどのこれまでの生産の形は保てない。
「より安く、よりいい商品」を作るという全世界のゲームの中で戦わなせればいけない。その戦いに日本企業は負け続けてきた。今後はどうなっていくのだろう。
資本主義は強烈だ。日本の国土ですら商品になり、海外の富裕層に買われている。
コモディティ化
これまでの「人材マーケット」では、資格やTOEICの点数といった、客観的に数値で測定できる指標が重視されてきた。だが、そうした数値は、極端に言えば工業製品のスペックと何も変わりがない。同じ数値であれば、企業側は安く使えるほうを採用するに決まっている。
コモディティ化した人材市場でも、応募者の間で「どれだけ安い給料で働けるか」という給料の値下げ競争が始まる。
勉強をしても、高学歴であっても、技術を身につけたとしても、社会に出てしまえば買い叩かれる。なぜなら、個人であまり差がなく、コモディティ化が進むからだ。さらに、今では日本でも、本当の意味での資本主義が進んでいる。そうなれば、「より安く雇いたい!!」と雇う側が思うのは当たり前である。
生き残るためには、数字に還元できない、「唯一の人」になれという。
たしかに、その人じゃないとダメだ!、という人は代えが効かない。タレントなどは、自分を売る。つまり、オンリーワンの商品なのだ。買い叩かれることは少ない。
近年、「ブランド人」という言葉があるように、タレント性を持つビジネスマンも増えてきた。その筆頭が、ホリエモンなどのイノベイターなのだろう。
さらに、インフルエンサーもどんどん増えてきた。しかし、個人が発信できるようになってきた時代では、その個人すらコモディティ化する可能性が高い。youtuberのコンテンツも似たようなものになってきたな、と感じている人は多いはずだ。
「唯一の人」とは一体どういう人なのか、よく考える必要がある。
投資家として考えよ!!!
本書の核となるメッセージとして、はじめにこう書かれる。
大切なのは、不労所得を得ることではない。投資家的に考える、ということなのだ。
それはよくあるインチキ臭い投資の本のように、「今すぐ投資信託やFX取引を始めよう」ということではない。「投機」ではなく「投資」の考え方を身につけること。「投機家」ではなく、真の意味での「投資家」になることだ。一攫千金を狙うのではなく、自分の時間と労力、そして才能を、何につぎ込めば、そのリターンとしてマネタイズ=回収できるのかを真剣に考えよ、ということなのだ。
重要なのは、まず資本主義の本質を理解すること。そして、そのメカニズムを正確に認識し、日々刻々と変わる情報を察知して、インプットを変えることで、アウトプットである自分自身の行動を具体的に変えることだ。
一般的に日本人は、「投資家」というものに馴染みがないと思う。しかし、資本主義社会でどう振る舞うのが最適かを考えるための武器として、重要なものだ。
そもそも、資本主義社会では、投資家として人を雇うか、人に雇われるかのどちらかしかない。2択しかないのだ。
だからこそ、自分の時間という資本を、長期的なものの見方=投資家的な考えかたによって、何に投資していくのかを考えるべきだ。ただ何となく生きていたのでは、この資本主義社会では生き残れない。
この本をきっかけに、投資とは何か、勉強していきたい。
自由になるためにはリベラルアーツだ!!
著者は、リベラルアーツ、つまり一般教養をとても重要視している。起業家志望の学生に、大学時代に何をしたらいいですかと尋ねられた際にも、「教養を身につけるべきだ」と答えるという。
社会に出てから本当に意味を持つのは、インターネットにも紙の本にも書いていない、自らが動いて夢中になりながら手に入れた知識だけだ。自分の力でやったことだけが、本物の自分の武器になるのである。
私も彼の意見に同感だ。本当に、教養というものが役に立ってきた人生だからだ。
教養のおかげで、世界と自分自身のことをより多角的に考えられる。
だからこそ、教養というもの本質を考えたい。
「教養とは、自分がわかることだ」と、私は定義したい。気になる方は、ぜひ次の記事を読んでほしい。
より詳しくは、ぜひ本書を購入してみてほしい。
おすすめ記事
追記
本記事が誰かの自由につながったのなら、私はうれしい。