記事の内容
プロのファンドの運用成績の平均は、サルがランダムに銘柄を選んで投資するよりも悪い
この記事では、 『なぜ投資のプロはサルに負けるのか』という本を紹介する。
・なぜ投資セミナーは、儲かる方法を他人に教えてくれるのか?
・投資とはどういうゲームなのか?
・投資は運か実力か?
金融の世界の本質に対して、私たちはまだまだ無知だ。資本主義社会を生き抜くためにも、必須の知識なはずなのに。
今回の記事では、ファイナンシャル・インテリジェンスを高めるべき理由や、投資の最大の謎である「なぜ投資のプロはサルに負けるのか」に迫りたい。
なぜ投資のプロはサルに負けるのか 藤沢数希
今回紹介する本が、こちら(画像クリックで、Amazonへ飛べます!)
1 マネーの世界はワンダーランドだ
・なぜ投資セミナーは、儲かる方法を他人に教えるのか?
・なぜ不動産屋は、投資用マンションを自分で買い占めないのか?
2 投資とはどういうゲームなのか?
・リスクとリターンという概念の本質とは?
3 株価とは何か?
・あらゆる金融商品の正しい値段を計算
4 投資は運か実力か?
・「どうして投資のプロはサルに勝てないのか?」という最大の謎に迫る
5 現代ポートフォリオ理論のシュールな結末
・リターンを増やし、リスクを減らすポートフォリオの行き着く先とは?
6 それでも投資をしたい人のために
・実践編
第1章では、我々の生活に身近な金融商品の謎を教えてくれる。
日本では、「フィナンシャル・インテリジェンス」の教育がない。経済活動をしている大人たちですら金融思考的に不自由だ。だからこそ、よく考えたらおかしい・割に合わない、金融商品がたくさん市場には溢れている。
・クレジットカードの色と年会費にどんな意味があるのか?
・生命保険は命をかける宝くじ
・ブランドとは愚か者から搾取するためのマインドコントロール
・教育は最も難しく成果の見えにくい投資
書店に『1日5分の練習で誰でもシューマッハにF1で勝てる方法』という本が売られていても、信じるひとはいないと思います。しかし、投資の話となると、どういうわけかこの手の本にひとはコロっと騙されてしまうのです。
著者 藤沢数希について
投資と投機の違いとは?
区別なんてない。
区別してもしなくても、どちらでもいい。
投機も投資もギャンブルも、全ては確率ゲームにすぎない。
そして、確率ゲームを理解するためには、リスクとリターンを考える必要がある!!
リスクとは不確実性のこと。
得することも損することもありうる、将来のわからなさ加減なことだ。
つまり、リスクが大きければ、大きく得することもある。
絶対に損するものはリスクとはいいません。なぜなら、絶対に損するなら、そんなこと最初からしなければいいからです。
競馬の期待リターンは、マイナス25パーセント。1万かけたら、7500しか返ってこないのが平均的に起こる。競馬や宝くじは、期待値の意味が理解できない人たちからお金をむしり取る。
なぜ投資のプロはサルに負けるのか??
プロのファンドの運用成績の平均は、サルがランダムに銘柄を選んで投資するよりも悪い。
なぜ????
・ファンドマネージャーの過去の成績から、将来の成績は予測できない
・ノーベル経済学賞受賞者など、優秀な者を集めて作ったファンドですらボロ負けしてしまうのが投資の世界
効率的市場仮説というアイデアで説明しよう。
株価が決まる瞬間というのは、プロの売り手が「こんなボロ株をこんな高い値段で売れるなんてラッキー」と思っており、逆に別のプロの買い手が「こんなピカピカの株をこんな値段で買えるなんてラッキー」と思っているわけです。
プロ同士が知恵を絞って壮絶な競争を繰り広げる結果、株価は常に割高とも、割安ともいえない、絶妙な範囲のところでいつも決まっていきます。株価がこのような常に「正しい価格」で取引されている状態を、ファイナンス用語で効率的といいます。
なぜ投資のプロは、サルにも負けるのか?
彼らが無能だからではない!!逆に、彼らが優秀だからなのだ。
合理的な判断の結果、市場は極限まで効率的になっている。
効率的な市場に残るのは、運という不安定性だ。
彼らが市場で壮絶な競争を繰り広げるため、市場は限りなく効率化していき、その結果、投資というゲームがコイン投げのように運だけが支配するゲームに限りなく近づいていくのです。
だから、コイン投げのように、プロとアマの差がない結果になってしまうのか...!!
ケインズの美人コンテストという例えも参考になるはずだ。
完璧な理論信仰というものも、とても危険だと思う。例えば、完璧を目指しているように見える数学ですら、ある限界が存在することがわかっている。それが、あの有名な「不完全性定理」だ。
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まとめ
本書からは、他にも必須の知識をいろいろと学べる。
先にも記した概要に気になるところがあるのなら、ぜひ読んでみてほしい。