記事の内容
今回は、「0ベース思考」という本を紹介する。
あらゆるバイアスをゼロにすることで、「どんな難問にもシンプルに解決策を見つける」ことが目的の本だ。
経済学者である著者の長年の研究成果と経験が詰まっている本だ。
人間が陥りやすい思い込み、これを打破する本が最近は流行っているのかもしれない。もちろん、日常生活にとても役に立つ。とくに、課題解決、意思決定に役立つと思う。
それでは、いくつかのトピックをまとめてみる。
- 記事の内容
- 0ベース思考
- サッカーのPKすら、本来は合理的に考えられる
- 子どものように考える 分かりきったことにゼロベースで向き合う
- 全当事者のインセンティブを理解することが問題解決の基本
- 関連記事
- まとめ
0ベース思考
いま世界でも最も知的で面白い思考ができる著者コンビが、PKを「合理的に」どこに蹴るべきかを知る方法から、絶対に耳を貸さない相手を説得する方法まで、驚くべき「思考法」を伝授する。さまざまな問題に対して、既成概念を打ち破った考え方ができるようになる一冊。
著者について
スティーヴン・レヴィット(Steven D. Levitt)
シカゴ大学経済学部教授。ハーバード大学(経済学)を最優等で卒業後、MITで経済学のPh.D.取得。94年から97年までハーバード大学のエリート研究者養成制度ソサエティ・オブ・フェローズのジュニア・フェローに選出。03年、ノーベル経済学賞の登竜門と言われるジョン・ベイツ・クラーク賞受賞。04年よりシカゴ大学ベッカー・フリードマン研究所ディレクターを兼務。06年、タイム誌「世界で最も影響力のある100人」に選出。09年、ノーベル経済学賞を受賞した故ゲーリー・ベッカー、ダニエル・カーネマンらとTGGグループを設立。スティーヴン・ダブナーとの共著に、世界的ベストセラー『ヤバい経済学』『超ヤバい経済学』(ともに望月衛訳、東洋経済新報社)がある。
スティーヴン・ダブナー(Stephen J. Dubner)
コロンビア大学でMFAを取得。同大学で教鞭を執った後、ジャーナリストに。NYタイムズ誌、ニューヨーカー誌、タイム誌ほかさまざまなメディアで執筆を行う。著作にレヴィットとの共著の他、『さまよえる魂』(未邦訳)などがある。
Amazon商品紹介より
サッカーのPKすら、本来は合理的に考えられる
サッカーのPKはどこにシュートするのがもっとも成功率が高いのか?
この合理的なこと答えはすでに出ている。
真ん中に蹴るべきなのだ。
しかし、実際の試合ではまず真ん中に蹴る例はない。何故ならば、PKを蹴る選手にとっては、様々な心理バイアスが働いているのだ。そのため、合理的な選択というのが、心理的にできない状況になってしまっている。
そのほかにも、様々な場面で人はバイアスがかかったまま意思決定をしてしまう。巨大なお金がかかる政策や、人の命がかかった治療法などもそうだ。こんな重大な分野においても、長年心理バイアスが放置されてきた例もある。
この本は、そういったバイアスを抑えるのに役立つ。
まさに、0ベースで考えるべきだ。
そのために、データ分析が役に立つ。人のバイアスを打ち崩してくれる真実がデータからは見えてくる。
子どものように考える 分かりきったことにゼロベースで向き合う
大きくよりも、小さく考える
分かりきったことを臆せず言ってみる
プロのマジシャンが曰く、大人よりもずっとごどもを騙すのは難しい。
大人なら科学者だってシンプルな仕掛けを見破れないのに、子どもの方がずっと見破る率が上がる。
大人は1つのことに対して、集中しやすいのに対して、子どもの集中力は分散的。
子どもは思い込みを持っていない。
子どもは身長が低い。マジシャンが見せたいのとは違う角度から、マジックを見ている。
児童書作家の話も面白い。
「子どもは書評ではなく、本を読んでくれる。批評家のことなんかちっとも気にしない。」
全当事者のインセンティブを理解することが問題解決の基本
道徳的インセンティブでは人を動かせない
・コブラ効果
報酬が逆効果を生むこと。
コブラの大量発生対策に、コブラの首に懸賞金をかけた。その結果、コブラを養殖するものがあらわれた。
これは現代の政策でもおなじ。
システムを悪用するものが必ずあらわれてしまう。
関連記事
まとめ
最近話題になった本「ファクトフルネす」とアプローチ方は近いかもしれない。
「本能を抑えよ」と「0ベースで考えよ」
方向性はかなり近い。それに両者とも、データの重要性を認識している。
人の思い込みよりは、よっぽど役に立つものがデータからは手に入れられるのだろう。
ぜひ、くわしくは本を読んでみて欲しい。