記事の内容
本記事では、「メタホラー」と呼ばれる映画を紹介します。
メタホラーとは、「ホラー映画についてのホラー映画」のようなイメージだ。
ホラー映画には、お決まりなパターンがある。よくホラー映画のお約束、などと表現される。
そうしたパターンを、映画の登場人物たちが自覚していたり、映画の構造そのものがホラー映画のお約束を反映していたりする。こういった点が、メタホラーの特徴である。
メタホラーは、その構成上、ホラー映画が好きな人ほど楽しめる。それに、ストーリー展開そのものが、ホラー映画の要素を反映しているため、独自の工夫がされていることが多い。
ホラー映画好きな人にも、そうでない人にもおすすめしたいジャンルだ。さて、本記事では、誰にでもおすすめしたいメタホラー作品を紹介する。
それでは、目次を見てみて欲しい。
スクリーム (1996)
とある田舎町で起こる連続殺人事件を描く。
ホラー映画あるあるが、随所に散りばめられている作品。登場人物たちが、ホラーのお約束を引用したり、揶揄するシーンが多くある。自らが語るホラーのお約束の通りに殺されたり、逆にこのパターンを裏切られたりと、予測しにくい展開が面白い。
また、今作の中では、登場人物たちがホラー映画を見て楽しんでいるシーンもたくさん出てくる。ホラー映画の中にホラー映画が出てくることで、私たち観客としてはホラーという要素をより意識させられる。
今作の殺人鬼は怖がらせる目的で、被害者に電話をかける。
「好きなホラー映画はなんだい?」
などど、電話での会話もホラー映画に触れている。
作り手のホラー映画愛、そして脚本の完成度の高さと、とても好評である。4まで続編が製作されていることからも分かる通り、かなりの人気作。
キャビン (2012)
これぞメタホラーな映画として、とても有名な一本。
舞台がキャビンというところからして、典型的なホラー映画のよう。「キャビン」とは、木造の小屋のことを指す。キャビンを舞台にしたホラー映画は多い。サムライミの『死霊のはらわた』などが浮かぶと思う。
今作でも、若者たちがキャビンを訪れる。その内訳も、どこかのホラー映画で見たことがあるようもの。
・ムキムキでややバカな男
アベンジャーズのソーでおなじみ、クリス・ヘムズワースが演じている。
・すぐ服を抜き出すお色気担当なビッチ
・本を持ち歩くまじめ君
・陽気でラリッているがホラーに詳しそうなやつ
・清純な性格の処女
などなど、キャラの特徴がまさに、メタホラーである。
そして、案の定、キャビンには地下室があり、そこには怪しげな品がたくさんあった。そして、登場人物たちはその地下室にて、呪いを発動させてしまう。森の中では、何かかが動き始めていた。
このように、筋書きもよくあるようなものだ。
しかし、それだけでは今作が名作になるわけがない。
主人公たちがキャビンにいる様子を、モニタールームで観察している科学者らしき人達が映し出されるのだ!!キャビンにいる主人公たちと、それを観察するものたち。この2軸が並行していく。
ここに、この映画のメタホラーとしてのアイデアのうまさが出てくる。いったいこの映画はなんなのか、ぜひ見てみてほしい。
ネタバレ厳禁な映画である。これ以上の情報は控えることをおすすめする。
ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ
あまり有名ではないが、評価の高い一本。
これは、ホラー好きな人意外にも、とてもおすすめできる映画だ。
なぜなら、ホラーコメディなのに感動要素があるからである。
本作の見どころは、次の通りだ。
・ホラー映画のお約束を逆手に取ったおバカキャラのぶっ飛び具合
・母と娘の絆と成長
この映画は、主人公たちがホラー映画の世界に入り込んでしまうというもの。主人公の女の子は、女優である母親を事故で亡くしている。その母親が出演していたホラー映画の世界に、迷い込んでしまうのだ。
そこで、娘は母と再会することになる。
このように、ただのメタホラーではなく、しっかりと「母と娘」を描いてくれる。
もう一つお勧めしたい点が、今作に登場するキャラ達である。彼らは、ホラー映画のなかの住人なので、とにかくおバカなのだ。コテコテのお約束なキャラたちだ。すぐにでも服を脱ぎたいおバカ女キャラなど、とにかくクレイジーな仕上がりになっている。
B級ではあるが、丁寧な作りである。とてもおすすめな一作だ。
まとめ
気になる一本は見つかったでしょうか?
ホラーの特徴がいい意味で凝縮された作品ばかりです。ホラー映画というもののいろいろな楽しみ方の一つと言えるでしょう。
それでは、快適な映画ライフをお過ごしください!!
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