記事の内容
無限って不思議すぎ。
みなさんは、無限を不思議に感じたことはあるでしょうか?私にとって、幼い頃に感じた不思議はこの式でした。
1 = 0.999999999999999...
この式、本当にそうなの??
みなさんは、この式を習ったときの違和感を覚えているでしょうか?
考えられるようで、考えられない。数学という学問は、そんな無限をどのように扱うのでしょうか?
無限という概念を知っておくことは、実は役立ちます。なぜなら、日常の現象を少しでも論理的に考えると無限が現れるからです。論理と無限は関係が深い。論理を「操作」なのだとすれば、すぐに無限につきあたります。これは、ウィトゲンシュタインが思い浮かびます。
今回の記事では、この式の不思議を通して、無限に迫りたい。
記事を読み終えると、無限という考え方の一端に迫れるはずです。
数学と方法
こちらの本が参考になった。まさにもっと数学が好きになれる本である。ありがたい。
さて、取り上げる話題はタイトルの通り、無限小数の実体です。
無限小数について、この本で書かれている内容をまとめてみる。
「書き方の問題」
「書き方から生じる誤解」
というキーワードを意識しながら読んでみてほしい。
無限小数?
無限小数とは、
1/3 = 0.33333333333333...
1 = 0.999999999999999...
などです。
無限小数は、改めて考えると、確かにはっきりしない感じがする。イメージが正確なのか自信が持てない。初めて、無限小数を目にした時、これは一体どんな実体なのか、疑問を持ったと思う。その後は、こういうものか、と思考停止していたが。
0.25、0.5などは理解できている気がする。
一方、無限小数の実体は、つかめている気がしない。
0.5は実際に使うことができるが、0.333333333...などは使いこなせる気がしない。
無限小数の誤解
「有限少数を割り算で求められる」イメージが強すぎるために、無限小数の理解の妨げになることがある
1/4 = 0.25 などのイメージに引っ張られすぎていると、著者はいう。
無限小数を、「ふらふらしていて、確定していない数」のように思ってしまいがちだ。
これは、無限小数を
無限に並ぶ桁数字を、次々と求めるプロセス
と考えてしまっているからだ。
そうであるならば、どこまで行っても正しい値にはならないのでは、と考えてしまう。
確かに、私自身、
1 = 0.999999999999999...
を目にした時、強く上記の疑問を感じた。
無限小数の実体は「関数」だ
「無限に計算を続ける」必要はない。
一言で指定できる。
無限小数の実体は、自然数kに、桁数字 0≦Xk≦9 を対応させる関数
数学的に正確な規則でありさえすれば、
すべての桁数字が、計算してない部分はあっても、確定している
と考えてよい。
なるほど。数の実体とは定義なのだ。その規則が正確であるなら、ちゃんと有効なものとして使える。数学世界に、実体しているイメージだろうか。
つまり、0.999999999... はある特定の数字であるのだ。その値は確定している。ふらふらと計算の途中なのではないのだ。
つまり、
0.9999999...は、1という値である。(数の規則、定義的には明らかなこと)
長年の、
1 = 0.999999999999999...
に対する違和感は解消した。違和感の正体は、「無限のプロセス」という思い込みだった。
数という概念について、また一歩知れたとおもう。
書き方の問題 「ある数」に限りなく近づくこと
数学ガールは、やっぱりわかりやすい。数学ガールでの説明も参考にしてみる。
0.9, 0.99, 0.999は、「ある数」にかぎりなく近づく。その「ある数」のこと、目標地点のことを0.999999999999...と表現するルールになっている。
書き方の問題なのだ。
だから、次の違いを意識することが重要だ。
0.999... →1に等しい
0.999...9 →1より小さい
0.999...9 という書き方だと、たしかにいつまでも1よりも小さい。
そうではなく、0.999... というのは目標地点のことを指す。よって、1に等しいのは当たり前なのである。
実際に、極限の定義でもこのように考えられている。「限りなく近づく」ということを、「無限に繰り返す」というイメージ抜きに定義している。
無限と人工知能
無限という話題に関連して、人工知能についても考えている。
なんとも、無限とは興味惹かれる対象ですね。日常でも、学問でもちょっと考え始めると、無限が顔を出します。
うーん、深い。
みなさんの好奇心は刺激されたでしょうか?
「無限」はあなたの教養になったでしょうか?
こちらでは、教養について考えています。教養=自分がわかること、と私は定義したい。おすすめです。
本ブログが誰かの役に立てたなら、とてもうれしい。
数学をより楽しい人は、ぜひ次の本へ進んでみてほしい。
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