記事の内容
なんとあのデスノートの新作読み切りが発表されました。
以前にネームだけ公開されていたものが、ちゃんと作品になり、ジャンプスクエアに収録されました。2/4発売なので、早速読んでみました!!
かなり、楽しめる作品でした!デスノートらしさもありながら、それをうまく物語の核として新しい展開を描いています。
この記事では、デスノート新作読み切りの感想をまとめたいと思います。
ネタバレも含まれますので、知りたくない方はご注意を!!
デスノート新作読み切り ネーム
期間限定で、またネームの方を公開しているようです。こちらだけでも、物語はちゃんと楽しめるので、おすすめです。
リンクを張っておきます。どうぞ。
以下、ネタバレ感想に入ります!
ノートにこんな使い方が⁉
本作の主人公ミノルがとった方法が新しい!!
「ノートを使わずに使う」
というもの。
ノートを使わないとは、ノート本来の機能を使わないということだ。もちろん、デスノートの機能とは、名前を書くだけで人を殺せるというものだ。ミノルは、ノートに一回も名前を書くことはなかった。
ノートをオークションにかけることで、お金を儲けようとしたのだ。下手に動けば、Lたちに簡単に追跡されてしまいそうだが、完璧な計画だった。お金の振り込みも分散させることで、個人の特定を防いだ。とても、賢い計画だったとおもう。
なぜ、彼はこんな選択をしたのか?
デスノート本編の主人公、ライトと比べつつ、考えてみたい。
もちろんまずは、両者の性格の違いが挙げられる。しかしまずは、デスノートに対する前提条件の違いに触れてみる。
ミノルがデスノートを手にした社会では、すでにデスノートの存在は知られているのだ。ノートや死神の性質について、警察側、L側に知られてしまっている。さらに、リュークの姿を見ることのできる人間たちが、そっちの側にはいる。つまり、ミノルはかなり不利な状況なのだ。
ここが、ライトとは違う。ライトの場合、デスノートなどという有り得ないはずの存在を、誰にも知られずに使い始めることができた。
この前提条件の違いは、ミノルの決断に大きな影響を与えたと思う。
ミノルというキャラクター
続いて、ミノルの性格について考えてみたい。
最大のポイントは、彼は人殺しノートなんて使いたくなかったということだ。これも、ライトと比較してみよう。
ライトには、正義感という動機があった。とにかく、正義感が強かった。だから、「死んだ方がいい人間は殺してしまえ」という動機が強化されていった。彼は、後半になるにつれて、人の命をなんとも思わないような人間になってしまう。その姿は、見る側にもよるが悪とも言えるだろう。
強すぎる正義が悪になってしまった。これは、正義にも、悪にも絶対はないからだろう。正義も悪も、相対的な価値観に過ぎない。
抽象化すれば、思想へのこだわりが強すぎることの問題を描いていたように思う。
一方で、ミノルは何を象徴しているだろうか?やはり、現代の日本や世界の雰囲気を反映していると思う。
「世界を変えるよりも、まったりと自分の生活を」
という表現だろうか。悟り世代なんて、言葉も登場しているように、世界への諦めのようなものが、若者の間にはあるのかもしれない。こんな日本社会において、ミノルがとった方法は、極めて現実的で賢いものだと思う。
デスノートという超越論的なもの
完璧な計画にみえたミノルの犯行。
しかし、おもわぬどんでん返しが待っていた。あとから、デスノートのルールが変更され、デスノートを売買したものは、問答無用で死ぬというルールが追加された。
デスノートに関する記憶をうしなったミノルは、何も知らぬまま、リュークに名前をかかれて殺されてしまう。
行き着く先は、ライトと同じ場所だったのだ。
ここにデスノートという作品のもう一つの面白さがあると思う。それは、人間を超えた論理の存在である。超越論的だ。人間にどうしようもないものといったら、生死だろう。その具現化こそ、死神でありデスノートなのだとおもう。
人間の社会、つまり理屈でどれだけ勝とうとも、人間を超えたルールのまえではどうしようもできない。どんなに金を稼いで、勝ち組になったとしても、明日事故にあい死ぬかもしれない。
こうした「どうしようもなさ」をしっかりと掲示してくれる。デスノートという物語の終着点がそこだという点は、やはり面白いと思う。
現実の世界に転がる、個人にはどうしようもないような壁の数々。そうしたものの暗喩としても興味深いだろう。デスノートというあり得ない道具を登場させているのにもかかわらず、この作品に大きなリアリティを与えている気がする。
なつかしいキャラクター
死神リュークに始まり、数々のなつかしいキャラクターが登場する。とくに、Lであるニアの登場はうれしいと思う。
髪がのびているという変化もある。Lとして役割をまっとうする彼の姿がみれる。
しかし、そんなニアも認めるとおり、今回のミノルの犯行は完璧だった。Lとして初めての敗北である。
まとめ
みなさんは、今回の新作、どう感じたでしょうか?個人的には、かなり楽しめました!!なんといっても、デスノートの使い方が新しい。
すばらしい新作だったと思います。
ぜひ、またあらたな物語を期待したいですよね。
また原作の方も読みたくなりました。
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