記事の内容
今回の記事では、あるドラマを紹介します。
それは、「レギオン」です。
あのX-menシリーズの初のドラマ化作品です。X-menといえば、超能力に目覚めたミュータントたちの活躍を描くストーリーです。しかし、そんなバトルものをこのドラマに期待してはいけません。
このレギオンというドラマ、とんでもない作品に仕上がっています。
王道バトルものではなく、サイコトランス系ホラーと言える内容になっています!!
精神的な狂気、サイケデリックな色彩、トランス的な音、これらの要素が複雑にからみあった、狂気的な作品になっています。
なぜなら、主人公が統合失調症だからです。彼の混沌とした精神世界に、私たちも巻き込まれるとても癖の強い作品です。
この記事では、レギオンのシーズン1のネタバレ感想をまとめるとともに、このドラマの魅力について語りたいと思います!
それでは、目次をご覧ください。
このドラマのどこが面白いのか?
テーマは、精神世界の「表現」の方だと思う。超能力バトルがメインテーマではない。
だから、映画『x-men』シリーズのような作品を期待してはいけない。
主人公デイヴィッドは、統合失調症だ。彼の体験している世界を、私たちも体験させられる。そのために、混沌たる精神世界をあらゆる角度から描いてくれる。深く重く暗かったり、軽くテンポ良く明かるくだったり。病的である分、この作品はホラー映画に近いと思う。
こうした表現の絵作り、音作りは、キューブリック作品のような雰囲気がある。『2001年宇宙の旅』や『シャイニング』のような感じだ。
加えて、サイケデリックな色彩のおかげで、快楽的なトリップも味わえる。映画『ネオンデーモン』などの精神的トリップ感にも近い。
また、これらは主人公の精神世界の表現だ。同じく、主人公が狂っていくドラマ『ハンニバル』や『Mr.ロボット』のような要素もある。
このレギオンは、精神病の主人公の視点に加え、時間軸もごちゃごちゃになっている箇所もある。だから、見ている私たちとしてはより混乱するだろう。そして、それと共に画の混沌さもどんどん上がっていく。こうした、精神的カオスに浸れる人には、最高のドラマになっているはずだ。
主人公は異常?
映画『Xmen』シリーズのメインテーマは、「人間vsミュータント」だ。そこでは、人間ではなくなってしまったものたちの葛藤と、異能の存在に恐れ攻撃してしまう人間たちを描いている。
一方、このレギオンでは、ミュータントという単語すらほとんど出てこない。Xmen感はほとんどない。メインテーマは、「普通と異常」と言っていいかもしれない。
主人公デイヴィッドは、テレパシーや念能力を病気のせいだと思ってしまっている。そのせいで、精神病棟に何年も入院している。そんな彼を取り巻く環境がまずヤバイ。デイヴィッド本人も、他の患者たちも混乱している。そんな彼が、新しく入院してきた女性シドと恋に落ちることで、物語が動き出していく。
デイヴィッドを演じるのは、ダン・スティーヴンス。『美女と野獣』『ザ・ゲスト』などに出演している。
自分自身の精神を疑うデイヴィッドの様は、とても痛々しいものだ。どんどんやつれていき、不健康で狂気的な演技は存在感が凄い。そんな彼の真実が徐々に明らかになっていく。
デヴィッドを救い出した組織のメンバーも癖が強いので、見どころが多い。
シーズン1ネタバレ デイヴィッドの正体
彼はただの統合失調症ではなかった。彼は、超能力を持つミュータントだったのだ。他の人の声が頭に響いてきたり、物を自由自在に動かせたりしたことは、幻覚ではなかったのだ。
ミュータントの組織に助け出されたデイヴィッドは、徐々に自分の力に目覚めていく。彼を覚醒させるために、デイヴィッド自身の記憶にアクセスしていくメンバーたち。しかし、その記憶には謎のブロックがかかっており、デイヴィッド自身も記憶の改編を自覚していなかった。
彼の幻覚や記憶は、何者かに干渉されている。そして、その何者かは、ついにデイヴィッド自身を支配しようと動き出す。そいつの正体は、「シャドウキング」と呼ばれるミュータントであり、とても古い存在だったのだ。それは、プロフェッサーXとの戦いで力を失って以来、彼の子供であるデイヴィッドに寄生し、彼の中で力を回復させていたのだ。
このシャドウキングの見た目もかなりグロテスク。太った黄色い目をした悪魔、という感じだ。この姿かたちで、デイヴィッドの幻覚にたまに登場していたのだ。シャドウキングは、他の姿を借りて現れることもある。精神病棟でのデイヴィッドの友人だったレニーの姿で現れることが多くなった。
このレニーの姿で、デイヴィッドたちを苦しめていくことになる。
奴の姿は、完全にホラー。これが、幻覚のなかに出てくるんだから、恐怖度が高い。完全にホラー映画になってしまっている。
シャドウキングの力
物語の山場で、デイヴィッドや、組織のメンバーはシャドウキングの力に囚われてしまう。シャドウキングが作り出した精神世界に皆囚われてしまうのだ。
その精神世界は、精神病棟のようになっている。そこでは、デイヴィッドや組織のメンバーが、患者として扱われている。その患者たちにカウンセリングをしているのが、レニーの姿をしたシャドウキングだ。
この構造の転換が面白い。
デイヴィッドが覚醒しかけている見せ場で、一気に立場が逆転してしまうのだ。メンバー全員が精神世界に囚われてしまい、そして、囚われていることにも気がつけない。
この世界からの脱出劇も、超能力バトルではなく、サイケデリックなホラーさ全開で独特だった。
メンバーたちが作った装置のおかげもあり、シャドウキングを精神的な檻に閉じ込め、無事精神世界から目覚めることができたデイヴィッドたち。
さらに、デイヴィッドの中から、シャドウキングを取り出すことに成功する。しかし、出てきたシャドウキングは、今度は他の仲間に寄生してしまう。
シーズン2では、どうなっていくのだろうか。
この癖の強さが気になる方は、ぜひ本編を見てみてほしい。とてもおすすめな作品です。
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