記事の内容
なにかと話題になる転売屋問題。
欲しい商品が彼らのせいで手に入らなかった、という経験をしたことがある人にとっては、いやな存在ですよね。
しかし、本当に転売屋は悪なのでしょうか?
悪だとするなら、法的な規制がすぐ入りそうなものです。
規制が入らないということは....?
今回の記事では、とある経済学部教授の転売についての意見を紹介します。
資本主義なら転売はしかたない
慶應大の教授である坂井豊貴さんのツイッターでの意見が話題のようです。
転売そのものの否定って、ほとんど資本主義の否定なのと(流動性が高い=転売しやすい)、最初のプライシングが失敗していて過度に安いから転売される。転売ヤーは「高値を払ってでも欲しい人が入手できるようにする」高付加価値なサービスを提供。https://t.co/xtxZlRv0U2
— 坂井豊貴 (@toyotaka_sakai) 2021年7月26日
転売そのものの否定って、ほとんど資本主義の否定なのと(流動性が高い=転売しやすい)、最初のプライシングが失敗していて過度に安いから転売される。転売ヤーは「高値を払ってでも欲しい人が入手できるようにする」高付加価値なサービスを提供。
坂井さんの意見は、経済学の視点としては、かなり本質的で確からしい意見ですよね。
転売屋はクソだ、と感情的になるだけではなくて、彼のような構造を捉えた視点も必要だと思います。
資本主義では、資本=数字で物事を考える視点です。
しかし、社会には、様々な視点があります。
企業の視点、消費者の視点。
転売屋問題についても、いろいろな視点で考えてみることで、問題解消、緩和につながるのではないでしょうか?
いずれにせよ、資本主義の本質をついた視点は無視できませんよね。この視点を無視して、転売屋はクソだ、と言い続けたところで社会は変わりませんよね。
他の視点も知りたい!という方は、ぜひ彼のツイートに対するリプを眺めてみてください。いろいろな人のいろいろな意見があります。
それらをふまえて、自分なりに考えてみるべきでしょう。
Twitterがおもしろいところは、リプにたいして、坂井教授が返答してくれるところです。経済学ではこう考えるのか、ととても勉強になると思います。
関心があるうえでの勉強になるので、脳への吸収が段違いですよね。『転売屋問題で考える経済学』みたいな本があったら絶対買いたいです(笑)
関連本紹介
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