記事の内容
同程度に起こりうる場合とはどんな場合なのか、という問題に対しては、数学は答えを与えない
by コルモゴロフ
みなさんこんにちわ、メタです。
今回も、好きをぶち抜いていきましょう。
今回扱うテーマは、高校数学の確率に出てくる
「同じ確からしさ」です。
確率における「同じ確からしさ」とは、何を指しているのでしょうか?
高校数学でこの概念に引っかかったことがある人、確率とはなにか考えたい人、
にぴったりな内容になります。
「同じ確からしさ」ってなに?
この疑問に答えるためには、
・そもそも、数学は確率をどう定義しているのか。
・数学とはどんな立場のことか
を考える必要がある。
まずは、確率の3つの立場を確認する。
確率の意味
確率には、3つの立場がある。
1 公理的確率
現代数学の立場。
公理を満たすものを確率とする。
確率の性質を、公理という形で定めている。
各事象に与えた確率が等しいことを、「同じ確からしさ」と呼ぶ。
2 古典的確率
場合の数の比のこと。
注目している場合の数を、すべての場合の数で割った値のこと。
高校までに学ぶ確率が、この古典的確率の立場である。
公理的確率論と矛盾はしない。
比を考えるために、「同じ確からしさ」を前もって条件として与えておく。
「同じ確からしさ」がどういう場合のことか、なぜ成り立つのか、数学内では考えない。
3 統計的確率
発生頻度の比のこと。
注目している出来事が実際に何回起きたか調べる。
全体のうち何回起きたか、これを確率とする。
コインを何度も繰り返し投げた時、裏表がほぼ等しい頻度で出たなら、「同じ確からしさ」で出るという。
数学の立場
数学は、前提条件を明確にしたうえで何が主張できるかを研究する。
現実のコインの裏表が、実際に「同じ確からしさ」で出るのかどうか、数学ではどうでもいい。
数学が答えてくれることは、
「同じ確からしさ」で出るとみなすならいったい何が成り立つのか、である。
高校数学の確率でも、「同じ確からしさ」はただの前提条件とした受け取ればいい。現実のコインやサイコロがどうなっているのか、気にしなくていいのだ。
参考文献
『数学ガール 乱択アルゴリズム』を参考にしました。
数学を学ぶには最高の一冊です。
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