記事の内容
今回は、おすすめな海外ドラマを紹介します。
エミー賞を受賞した傑作『ビック・リトル・ライズ』です。
幸せそうに見える3人の母親たち。
しかし、誰かが死ぬ。
小さな嘘が絡みあり、衝撃的な事件へつながっていってしまう。
サスペンス人間ドラマとして、傑作でした。
ネタバレなし感想、ネタバレあり感想、2段階に分けてまとめます。
ビックリトルライズ あらすじ
作家リアン・モリアーティによる同名のベストセラー小説を基にしたダークコメディ作品。小学生の子を持つ3人の母親たちの完璧に思えたそれぞれの人生が、ある殺人事件によって崩れてゆく。
ネタバレなし感想
この話の中心は、5組の夫婦たちだ。とくに、5人の母親たちが主役になっている。
彼女たちが抱えるリアルな生活模様、悩み、闇、トラウマ。こうした要素が描かれつつ、この話の核心である一つの事件に流れていく。
冒頭から、誰かが死んだことが示される。
その事件についての事情聴取のシーンが、ちょこちょこはさまれるのだ。
いったい誰が死んだのか?
事故なのか?殺人なのか?
事件についての核心は最終話までわからない。この焦らしが人間ドラマを面白くしてくれる。
最終話まで描かれるのは、5人の母親たちと彼女たちの家庭の様子だ。夫婦の関係に闇を抱える女、子供との関係に悩む女、過去のトラウマに悩む女などなど、不穏な生活がひたすら描かれる。
たとえば、ジェーンという女性は過去に性暴力の被害に遭い、そのときに身篭った子どもを現在育てている。彼女にってのトラウマだ。
主役の女たち同士のいざこざも多い。子どもたちが同じ学校に通う母親だからこそ、立場の問題という小さな戦争も起こっている。
その結果、この5人の女たち全員が怪しく見えてくる。この状況なら人殺しに発展するのはあり得ないことではないだろう、と。
しかし、最終話まで何も事件は起こらない。焦らしに焦らしてくれる。何も起こらないのに、ドロドロとした人間関係だけで話を引っ張ってくれる。
見飽きず、先が気になる展開になっている。
全7話という話数も、ちょうどいい。
一気見してしまう人も多いはずだ。
死んだのは誰か?
誰かが殺人犯なのか?
ジェーンに乱暴した男、つまりジェーンの子の父親は誰なのか?
ドロドロとした人間関係と高品質なのサスペンス。
まだ見ていない方は、ぜひご覧ください。
ここからは、ネタバレ感想です!
まだ見ていない方はご注意を!
ネタバレ感想
死んだのは誰か?
事件の核心にもっとも関係のある夫婦は、セレステとペリーだ。ペリーはDVクソ野郎であり、妻であるセレステに暴力をふるっていた。
セレステ自身もペリーを拒否しきれていない。共依存のような状態になっていた。
セレステは、子供にまで悪影響が及ぶことを恐れ、やっと別居する計画を立てる。しかし、その計画は夫にばれてしまった。パーティへ行く道中、セレステとペリーはそのことで喧嘩をしていた。
パーティ会場の外で、セレステ、マデリン、ジェーン、レナータたちがそろっている中、ペリーがセレステを連れ帰ろうとやってきた。
もみあいになり、セレステに暴力をふるうペリー。彼女たちは全員で彼を止めようとする。
そのとき、誰かがペリーを階段の下へ突き飛ばした。
死んだのは、ペリーだった。
誰が犯人か?
もみあいになっている中、ペリーを突き飛ばしたのは誰だったのか??
遠くから彼女たちを観察していたボニーだ。
殺人の意図はなく思わず身体が動いた、という感じだった。
5人の母親の中で、もっともいい母親であり常識人であり、問題が少なく描かれていたのがボニーだった。殺人からは、もっとも遠い存在が彼女だった。
だからこそ、この結末はかなり以外。
ジェーンをレイプしたのは誰か?
ジェーンは自分をレイプした男にずっと囚われていた。殺したいほど憎んでいた。彼女は、銃の練習を欠かせないほど、乱暴されたことがトラウマだったのだ。
ペリーが死んだあの現場で、ペリーとジェーンは初対面する。その瞬間、彼女にはわかってしまったのだ。ペリーこそ、自分に乱暴した犯人なのだと。
この事実に気が付いたことは、近くにいたマデリンやセレステにも伝わってしまう。
この気づきのシーンこそ、このドラマ最大の盛り上がりだろう。
衝撃的過ぎて時が止まるという震えをよく演出で来ていた。
このシーンが見れたことこそ、このドラマが高評価になる理由かもしれない。
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