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「集合と位相」をなぜ学ぶのか【勉強メモ】大学数学入門におすすめな一冊

記事の内容

 

この記事では、 

 

集合と位相」をなぜ学ぶのか 数学の基礎として根づくまでの歴史

 

 

という本の内容をまとめたい。

 

本記事は、数学書を読んでいく上での勉強メモのような位置付けになる。基本的には、私自身の勉強のためのメモだ。

 

しかし、同じ本を読んでいる人、本書に興味がある人にも役立てれば、と思う。

 

内容は、勉強が進むにつれて常に更新していく。

 

一緒に数学を楽しみましょう。ゆったりと。

 

興味がある人は、目次へどうぞ。

 

 

本書から、一部をまとめます。

 

 

4平面と直線は濃度が等しい

 

4.3数学の基礎としての集合論

 

環のイデアルの定義と切断による実数の定義。

 

素因数分解の一意性が崩れる環が発見された。

 

ある環の部分集合について、イデアルという性質を定める。イデアルという概念をヒントに、素因数分解の一意性に対応する性質を導ける。

 

デデキントの切断

実数の全体を左組と右組に切断するとき、その境界となる数が必ずある

 

有理数の切断から無理数を定義した。

有理数の切断が左組の最大要素も、右組の最小要素も持たない場合に、その切断が無理数を定める。

 

デデキントは、

有理数の切断を実数と呼ぶ

と、実数を定義した。

 

 

 

 

4.4直線と平面は同じ大きさ

実数直線と平面、そしてn次元空間との間に、全単射を作ることができる。

 

カントールは、次元という観念はその根拠を失ってしまう、と驚愕する。

 

数学的に、次元という概念を救うにはどうすればいいか?

 

キー概念は、連続性だ。

 

 

 

 

 

 

5直線と平面は濃度は等しいが、位相(つながり具合、広がり方具合)は異なる

 

 

 

 

5.1やはり、平面と直線は違うはず

直線と平面は、濃度という観点では等しい。

しかし、直線と平面との間の全単射には連続性がない。

この連続性こそが、違いのポイントだ。

 

 

 

 

5.2平面の点集合、点列の収束とε近傍

 

 

点集合の理論をとおして、直線と平面の構造の違いが明らかになる。

 

距離関数の言葉を用いることで、数列の収束の定義をただちにm次元空間の点の列の収束の定義へ一般化できる。

 

点qのε近傍

点qからεに満たない距離のこと。

 

 

 

 

5.3写像の連続性

点近傍の概念を用いて、写像の連続性を定義する。

 

写像の連続性のイメージはこうだ。

 

xがpに十分近くしさえすれば、fxはfpにいくらでも近くになる。

 

直線と平面との間に、連続写像ではない全単射の例を挙げられる。しかし、連続な全単射が存在する可能性を否定することまではできていない。

 

 

 

 

5.4内部と外部と境界

 

内点 

pに近い点はすべてAに属する。

 

境界点

pの近くにはAに属する点も属さない点もある。

 

外点

pの近くにはAの点がp自身も含めて1個もない。

 

点集合Aが与えられるごとに、空間がAの内点、境界点、外点に3分割される。

これらは互いに素。

 

目で見て判断していたイメージを、集合の言葉で定義できるようになった。

 

 

 

 

 

5.5閉包

 

空間の点は、Aの集積点か、Aの孤立点か、Aの外点か、どれか一つに該当する。

 

Aの閉包CI(A)とは?

 

点集合Aの閉包CI(A)は、いくらでも近くにAに属する要素が存在するような点の全体のこと。点列の極限値をとるという操作によってAから到達できる点の全体である。

 

内部と境界の和集合のこと。

 

ex

境界を含まない平面の円盤の閉包は、境界を含む円盤になる。

 

  

 

 

 

5.6開集合と閉集合

 

開集合とは、自分の境界を少しも含まない集合、閉集合とは自分の境界をすべて含む集合。

 

点列の収束や写像の連続性にしても、その定義を、開集合の概念を用いて書くことができる。

 

このことを手がかりにして、直線や平面のような具体的な対象から一般の空間へ、点集合のいろいろな性質を一般化できる。

 

 

 

 

5.7位相同型写像と同相な点集合

 

目標

直線と平面のつながり方、広がり方の違いを数学の言葉でとらえる。

 

つながり方を区別するために、同相という概念を考える。

 

連続写像は、繋がっている部分を切り離さず、繋がったままに写す写像。しかし、繋がっていないものを、繋がっているものに写してしまう例がある。

 

そこで、位相同型写像を次のように定義する。

連続な全単射があり、逆写像も連続である。

 

位相同型写像が存在する集合同士を、同相という。

 

この同相こそ、「つながり方が同じ」の数学版である。

 

同相とは、伸び縮みや曲がり方を気にせずにつながり方だけを見れば同じ、と思えること。

 

 

 

 

 

5.8連結性

直線と平面は濃度は同じだが、つながり方、広がり方が違う。

 

AとBが不連結であるとは、Aの点の列はBの点に収束しない、かつ、Bの点の列はAの点に収束しないこと。

 

たとえば、実数の集合は連結である。

 

定理

  • 点集合Xから点集合Yへの連続写像fがあったとする。AをXの任意の部分集合とする。Aが連結であれば、その像fAも連結である。

 

連結性よりも強い性質として、弧状連結という概念がある。

 

点集合Xが弧状連結であるとは、Xに属する2つの点pとqをどのように選ぼうとも、pを始点としqを終点とするX内の道が必ず見つかること。

 

弧状連結な点集合は、連結である。

 

 

 

 

5.9平面と直線は同相ではない

平面から直線への位相同型写像が存在しないことを示せる。つまり、平面と直線は同相ではない。

 

この証明には、実数集合から1点を取り除くと残った集合が不連結になるが、2次元以上の空間ではそうではない、という性質を利用する。

 

さらに、この事実は拡張される。

 

次元の不変性定理 

mとnが異なるとき、m次元空間とn次元空間とは、互いに同相ではない。

 

 

 

5.10 位相=つながり具合・広がり具合をあらわす構造

 

点集合のつながり具合、空間の広がり具合といった構造のことを、位相、あるいはトポロジーと呼ぶ。

 

位相同型写像で保たれる構造であり、互いに同相な点集合によって共有される構造。

 

位相の元々の意味は、「位置と様相」。

 

*物理によく出てくる「位相」は、phaseのこと。

 

 

 

 

 

 

6 ボレルの測度とルベーグの積分

 

6.3 ハイネ-ボレルの定理

 

開被覆がどんな風に与えられても、そこから有限個の集合を上手に抜き出して、その有限個だけで被覆を構成できる。

 

実数の閉区間はコンパクトである、ということ。

 

 

 

6.4 ルベーグと測度

 

測度を考察することにより、ルベーグは、ルベーグ可測集合とその測度を定義した。

 

・区間はルベーグ可測であり、その測度は長さに等しい

・ただ1点からなる集合はルベーグ可測であり、その測度はゼロである

 

など。

 

 

6.5 可測関数とルベーグ積分

 

区間の分割の概念を、ルベーグ可測集合を用いて拡張する!

 

区間を互いに疎な有限個のルベーグ可測集合で分割する。

 

あとの積分の考え方は、リーマン積分の定義から類推できる。

 

 

 

 

6.7 測度と確率論

 

全体集合の測度が1であるような測度空間を確率空間と呼ぶ。

 

確率論とは確率空間における測度と積分の理論である

 

おかげで、確率論に解析学の手法を持ち込むことができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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