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民俗学(妖怪学)・神社(神道)を学びたい【おすすめ本紹介、読書メモ】

記事の内容

神社や神道、そして、怪異、妖怪。

 

身の回りにある分、日本人として、その正体が気になります。

 

歴史や文化、民俗学という視点からも、とても興味深い例にあふれています。

 

この記事では、私が読んできた本、今後、読みたい本を紹介します。

 

 

 

 

 

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民俗学、妖怪、怪異

 

 

 

 

民俗学入門

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普通の人々が営む日々の暮らしを深く知り,驚く.人生と生活の細部に直に触れ,世界の奥行きに畏怖しながら,複数の歴史を「私(たち)」からつかみ出す.繰り返される過ちから目をそらさず,よりよい未来を考えたい.これが民俗学のエッセンスである.「人間にかかわることすべて」に開かれた,野心的な「共同研究」への誘い.

 

人間のせつなさとしょうもなさを観る。

私たち自身が資料である。

普通の人々の普通の暮らしを対象にする。

 

民俗学という学問の特色が伝わってくる気持ちの入った入門書。

他の本への案内もあり、とても親切。

 

 

 

 

妖怪文化入門

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妖怪は3つに分類できる。

  • 出来事としての妖怪
  • 超自然的存在としての妖怪
  • 造形化された妖怪

 

 

妖怪は、認識体系における既知と未知の境界領域に立ち現れる存在や現象である。

 

造形化された妖怪

造形化することそれ自体が、妖怪に対する人間の側の優位性を物語っていたのだ。つまり、妖怪が娯楽の対象になりはじめた。

 

 

憑き物

下部構造が変化して「憑きもの筋」といった信仰は消滅しても、「憑きもの」信仰は、共同幻想が西洋合理主義的なものに取って代わられながらも、前近代からの共同幻想も断片化・個人化しつつも現代にまで生き延びているともいえるのである

 

鬼とは、日本人が思う人間の否定形である。つまり、人間という概念を成立させるために、鬼という概念がその反対概念として作り出されたのである

 

 

 

 

 

 

呪いと日本人

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  • 呪いの構成要素
    • 呪い心
    • パフォーマンス

 

 

  • 呪いの構造
    • 呪う側の心理のみだけで成立する。(呪われた側は最初から最後まで呪われたことに気が付かない場合でも、呪いという現象は成立する。)
    • 呪いは、個人から集団まで、心の浄化システムだった。
    • 呪いのスペシャリストが呪いをでっちあげる(宣言して初めて存在する)

 

 

  • 祓いと祀り
    • 個人から神仏レベルまで幅広い原因に対処する方法が祓いだった。
    • 祓いが通用しないレベルもあり、その場合、祀りが採用された。

 

 

 

 

 

 

異界と日本人

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妖怪

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日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか

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  • 1965年あたりから、キツネに騙される現象が消えた。
  • 村の暮らしでは、祖先が村のために整備した自然や祖先が神である。仏も合わさり、村の暮らしに適した形で信仰が根付く。
  • 村では、知性、身体性、生命性の継続が必要である。
  • 村の中での自然と村の外にある人智を超えた自然。村は、純粋な自然を奥にもち、その下に村人によって作り変えられた自然と里を展開させる世界である。このすべてに、生命の流れ、神の流れを見た。同じ神が様々な形になって現れるため、「権現様」と呼ぶ。
  • 歴史は、現在との結びつきによって再生されたものだ。1965年ごろを境にして、身体性・生命と結びつく歴史が薄れ、知性による歴史のみが肥大化した。
  • 生命性の歴史と神はどちらも目に見えない。村では、神に様々なカタチを与え、生命性の歴史を重ねてきた。同様に、生命性の歴史にカタチを与える装置として物語があった。その一つがキツネに騙されるという物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神社・神道

 

 

神社とは何か

 

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神社には、なぜ鳥居があるのか。神社の本殿は、なぜあのような形をしているのか。神社のルーツは何か。どのようにして今の形になったのか──伊勢神宮、出雲大社、あるいは沖ノ島、熊野三山、三輪山の磐座祭祀といった代表的な神社とその信仰のかたちを分析するとともに、日本各地に今も残る古い信仰のかたちの中に神社のルーツを探る。神社についてのすべてがわかる決定版。

 

 

 

神社とは、「自然界の生命力を神として信仰し迎え祭る場」とまとめられる。

 

これは、ホモサピエンスが持つ霊魂観念、他界観念の日本的な表現方法である。

 

起源の一つに、水田稲作への畏怖と信仰がある。それは、磐座祭祀・水源祭祀となっていた。その後、禁足地祭祀へと変化が見られた。

  

磐座祭祀というのは地上の巨岩に神霊や精霊が宿っているという感覚にもとづく祭祀です。禁足地祭祀というのは天空から神霊や精霊が来臨するという感覚にもとづく祭祀です。

 

神社の本殿には、3パターンが見られ、もっとも新しい形式が、現在の神社の6割と見積もられる。

 

高級な神霊と、低級な雑霊があるが、それら境目は曖昧である。どちらも敬意と畏怖の対象だった。

 

日本の神社とは、人びとの天然自然の中に想定されてきている神霊と精霊とへの畏敬と信仰という素朴な原点から文化的な発展をたどって立派な造形へと至っている、私たちの眼前の多様性の中に通底しているものなのです。

 

 

もっとも古い神社とは?

 

古い神社とはいっても文献史料からみれば、伊勢神宮も出雲大社も律令国家形成期の七世紀から確認できる神社なのです。

 

さらに古くには、祭祀としての存在があった。

 

もっとも古いかたちを伝えている、文献史料にも遺物資料にもなかなかその歴史情報を残しにくい素朴な神祭りのかたちとしての、「もり(杜)」への祭りです。そして、それと並行して磐座や禁足地への祭りが古く、それが次第に、「ほこら(祠)」や、「やしろ(社)」や、「みや(宮)」のかたちへ、つまり社殿祭祀という新しいかたちへ、という変遷がありました。

 

 

鳥居の起源も、神社の起源と重なる。

 

鳥居というのは、自然の中に存在していると考えられた神々が、眼前の掛叢の社や磐座や禁足地や社殿に祭られているのに対して、人間がその祭りをしたいと考えるときに、神々にその祭りを受け入れてもらえるかどうか、を確かめたい、という思いから設けられたものではないか。絶大な自然の霊威力である神々に対して、少しでも接近したいと考えた人間が、まずは自分の供物をささげてそれを受けとってもらえるかどうかを確かめるために設けた装置であるということである。

 

 

 

 

 

 

教養として学んでおきたい神社

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神社について学ぶ。それが、この本の目的です。
多くの人たちは、普段神社とかかわることは少ないかもしれません。
ですが、正月になると、神社に初詣に出かけます。
子どもが生まれたときの初参りや七五三の際にも、神社に参拝します。
神社は、私たちの日常の暮らしのなかにしっかりと根づいています。
それは、私たち日本人にとって、神社という存在が必要不可欠なものであることを意味します。
本書では、神社で祈ることの意味、その場所が持つ価値、神社の成り立ちや
神仏習合、神仏分離といった過程、神社の格などについて、
宗教学者の島田裕巳先生に詳しく丁寧に解説していただきます。

 

 

 

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一つ重要なことは、伊勢神宮を本宗とする体制は、戦後になってはじめて生まれた、新しいものだということである。戦前の体制は、GHQによって「国家神道」と呼ばれたが、国家神道の時代には、必ずしも伊勢神宮中心主義ではなかったのである。

 

 

神社の社殿は、もともとは永続性を求めるものではなかった。式年遷宮の制度が作られたのも、そうした感覚が働いていたからだろう。神を祀るためには、そこに神が現れると感じさせる場所さえあれば、それでいいのである。

 

 

祀られる神は3種類ある。

  • 神話に登場する神
  • 神話に登場しない神
  • 元々は人だった神

 

 

 

 

 

 

 

 

眠れなくなるほど面白い 神社の話

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「神社って、何のためにあるの?」
「最強の神様はアマテラスなの?」
「犬や猫の神社があるってホント?」など、
素朴な疑問形式で神社のキホンを
余すところなく解説。
イザナギ、イザナミ、アマテラス、スサノオ、
オオクニヌシ……。
古事記、日本書紀に登場する神様の
ストーリーに加え、その舞台となった神社や
最強の開運神社を紹介します。祭神の由来や
ご神格を知ることで、神社や神社参拝が
楽しくなるエンターテインメント教養本です。
恋愛成就、健康祈願、金運、成功運向上など、
望みを叶える神社や、戦国武将とかかわりが深い
神社、漫画やアニメ、有名人の聖地となっている
神社、超絶景の神社も紹介します。

 

 

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アースダイバー 神社編

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生命にとっての普遍的聖地に加えて、ホモサピエンス・サピエンスにとっての聖地、そして古代の日本列島に居住した縄文系と弥生系(倭人系)にとっての聖地(のちの神社)の心的・歴史的な構造を探っていきます。
主な取扱い神社は、以下の通りです。
大日霊貴神社(鹿角大日堂) 諏訪神社 三輪神社 出雲大社 和多津見(海神)神社 志賀島神社 穂高神社 伊勢神宮などなど。
神社に残された祭儀に秘められた思考を遡っていくと、アメリカ先住民、アジアの少数民族、ネパール、東南アジアなどとの深つながりが明らかになります。
また、同時にこの列島に数万年にわたって繰り広げれてきた、われわれの祖先の前宗教的・宗教的思考の根源とその展開が解明されていきます。
山とは、海とは、蛇とは、太陽とは……。
歴史の無意識の奥にしまいこまれた記憶を甦らせる魂の冒険へ、いざ。

 

 

 

「神社編」と名付けられた今回のアースダイバーでは、その試みをさらに一歩進めて、精神の内部にも自然地形と類比的な「地質学的」な層構造が見出されることを、精神のトポロジー的な表現である「聖地」のありかたを題材にして、探究してみようとした。

 

 

聖地の構造は不変だが、宗教は変化して進化をとげていく。その意味で聖地は宗教よりも根源的である。

 

 

  • 原宗教
    • 人の認知革命そのものに宿る
    • 光や大地のエネルギーが蛇のように現れる。
    • 「虹の蛇」というモチーフ。

 

 

  • 前宗教
    • 狩猟時代のモチーフ
    • 全体の循環。エネルギーの保存。

 

 

  • 宗教
    • 農業革命以降のモチーフ
    • 成長と拡大、増殖と利潤。

 

 

「農業をおこなう新石器人」である弥生人が、日本列島に入ってきた。この弥生人と「農業をおこなわない新石器人」である縄文人との間には、水田による組織的稲作農業をやるかやらないかという技術の上の違いの他には、根本的に大きな違いはなく、ただ一点、自然と人間の世界に増殖ないし利子の考えを認めるか認めないかの違いしかなかった。

 

 

宗教的存在である神社にも、原宗教、前宗教が宿る。この3つの層から神社を見るのが本書の目的だ。

 

例 アマテラス神の変質

 

弥生古層の神道の上に、新層の神道が覆いかぶさり、古層神道は地面の下に隠されていったのである。このときに実現された改変は、精神に加えられた一種の「合理化」である。政治体制の合理化をめざす大化の改新に対応するように、ゆらぎをはらんだナチュラルな古層的神道が、階層構造によって意味を確定できるものにする新層的神道へと合理化されていった。

 

 

縄文系神社、海民系神社に大きく分けられる。

 

 

 

 

 

 

神道と民俗学

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神名データベース

 

https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/

 

 

 

 

 

 

 

京極夏彦について

はっきりと民俗学というものの面白さを意識したのは、京極夏彦という作家の小説を読んだときだった。

 

彼の百鬼夜行シリーズは有名だ。

 

物語としても、民俗学的な知識の整理としても、とても面白い。

 

彼の作品についても本来であれば一つ一つ紹介したいが、今回は案内だけにしておく。

 

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その他はこちらから。

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民俗学を題材にした小説といえば、三津田信三もよい。おすすめ。

 

 

 

 

 

 

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