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脳と心の不思議 「動き」だけが見えない女性

脳と心の不思議

みなさんは、脳と心の不思議に関心を持ったことはないでしょうか?

 

たとえば、自分が見ている世界と他人が見ている世界、本当に同じ世界なのでしょうか。

 

今回は、脳と心の不思議に迫る良質なドキュメンタリーを紹介します。

 

記事を読み終えると、脳と心の関係について、一歩深めて考えられるはずです。そしてそれは、あなたの人生を少しだけ良いものにするかもしれません。

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NHKスペシャル 脳と心 脳が世界を作る

www.youtube.com

 

今回見たのがこちら。

脳と心についてのドキュメンタリー。

90年代に放送されたようで、20年以上も前の作品。しかし、養老孟司さんが監修されているように、今見ても質が高く楽しめた。

 

この時から、どれほど脳科学は進歩したのかも気になるところ。最近の脳科学本を読んでいても、核心部分での大きな進歩は少ないのかな、と思える。

 

脳科学の核心ってなんだよ、と突っ込めるが、そこをつかむだけでもとても奥が深く、難しいように思える。核心的な議題についても、いつか整理してみたい。

 

 

 

 

右脳がほとんど働いていない少年

後遺症により、右脳の機能がほとんど働いていない少年が紹介されている。しかし、彼には驚異的な絵の才能がある。

 

彼は右脳が働いていないため、左半分の視野がないことになる。私たちが見ている視野の、左側が暗く何も見えていない状態だ。

 

どうして、右脳の機能が働かないことが、絵の才能をもたらすのだろうか?

 

このドキュメンタリーでは、そもそも脳の解明がまだまだ進んでいないということに触れ、明確な答えを掲示していない。

 

しかし、いくつかの示唆は与えてくれる。

 

物事を深く見るには、五感を総動員することが欠かせない。彼の場合だと、視覚情報が足りない分、他の感覚で補っているのでは、と推測される。さらに、彼の絵には彼の心の状態がとてもよく表れる。だから、心で感じ取ったことが素直に表現されやすい。これが、彼の絵に独特なタッチを与えるのだろう、と言われていた。

 

 

ものを見るとはどういうことか?


目で見ているものと、脳で見ているものは違う。視床という中継所が、目に入ってくる情報にフィルターをかける。その結果、脳独自の世界を、脳が構成することになる。

 

その例が、三次元映像の再構成だ。奥行きは、脳の計算によって出来上がる。網膜上においては、二次元の絵にすぎない。脳が計算して初めて、「奥行き」というものができる。

 

大脳新皮質の最小処理単位はコラムと呼ばれている。輪郭線、奥行き、動き、色などが別々のコラムで、別々に処理される。それら別々の処理が、何重にも最終的に統合され認知が完成する。

 

 

「動き」だけが見えない女性

脳の損傷により、「動き」だけが見えない女性も紹介される。この例は、世界的に見ても珍しいものだという。これは、とくに脳と心の不思議さを感じさせるものだ。是非、動画を見てみてほしい。

 

彼女は、動きを認識できない。例えば、グラスに水を注ぐ時も、水がいっぱいになる動きがわからないので、水があふれてしまう。

 

世界が静止画になるのだ。
なめらかな映像ではなく、飛び飛びの静止画に見えてしまう。

 

街を歩くときでさえ、周りの世界の動きがわからない。歩く人も、車の動きも。さらに、自分自身も動いている時は、余計に混乱してしまうのだという。

 

 

人の顔だけが認識できない男性


側頭葉の内側への障害により、人の顔を認識できない男性も紹介される。彼は、自分の顔すらわからないのだ。

 

目や口の形、シワなど部分は認識できる。しかし、それらを統合した顔全体は認識できない。

 

この症状は、相貌失認と呼ばれるものだろうか。生まれつきこの症状を持つ人もいる。推理小説などで、時々目にすることも多い。

 

人の顔だけに反応する神経細胞があるのか?という疑問にも触れられる。ものを見る仕組みでも触れたように、特定の形だけに反応する神経細胞がある。それらの研究も、猿などの実験から成果が出ている。

 

 

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心脳問題入門

心と脳の関係を考える学問領域として、心脳問題というものがある。実は、あらゆる領域の科学を横断しなくてはならず、とても議論が多い分野になる。とくに、哲学的な誤謬が発生しやすい。だからこそ、とても勉強になる。

 

入門としては、この本がおすすめ。

 

 

 

まとめ

・脳の損傷が、認識に影響を与える

・脳の部位と、知覚の要素の関係は深い

・脳と心の関係には、心脳問題という大きな溝がある

 

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