悪い奴ら
こんにちわ、メタです。
・人間の力が溢れている映画を見たい
・人間の悪さに惹かれる
・善悪とは?
・欲というパワー
・警察と汚職
実際にあった汚職事件を元にした映画です。人間が放出するパワーがとにかくすごい映画でした。テーマに関心がある方、是非見ていってください。
大学時代に馴らした柔道。その腕っ節の強さを買われ、北海道警・刑事となった諸星要一。強い正義感を持ちながらも、うだつの上がらない日々を過ごしていた。ある日、署内随一の敏腕刑事・村井から刑事の“イロハ”を叩き込まれる。それは「刑事は点数。点数稼ぐには裏社会に飛び込み、S(スパイ)をつくれ。」というものであった。言われるがままに“S”を率い、「正義の味方、悪を絶つ」の信念の元、規格外のヤバすぎる捜査をまっとうしていく諸星だが――。
filmarksより
詳しい解説はこちらがおすすめ。ネタバレには任意で!
感想
・綾野剛祭り
本作を見て、一気に綾野剛が好きになった。シーンによって、まるで別人のように見える彼。不細工なオヤジにも見えれば、精悍でかっこいい男にも見える。
そんな彼がどんどん進んでいく。
これは、どうなっていくと表現すればいいだろう。そこにある大きな熱量や生き様、これらはなかなか言葉で言い切れないものだ。その雰囲気の表現が、この映画の上手なところなのだと思う。それくらい、エネルギーがある画だった。
彼の人生は、ジェットコースターのような人生だ。そして、そこには、「人間という生物」の底から湧き上がってくるような何かが感じられる。腹の底からあふれ出すような何か、だ。この映画では、それは、「欲」だろうか。その放出の勢いの表現が凄まじかった。
みなさんはここまで欲を放出できているだろうか?その熱を悪事に向けてはもちろんいけないが、「欲動の強さそのもの」は、自分の人生にとってかなり重要なことなのでは、と私は思う。その欲を素直に生活の中で昇華できているなら、とても幸せな生き方ではないだろうか。
この映画では、欲の表現としてのエロいシーンがとてもいい。役者の身体を張った演技は、しっかりと「欲」が視覚化されている。エロに生々しい強さがあった。
悪い奴ら。
彼が悪いのか、それとも人間という生物が本来持っているどうしようもなさからくる悪さなのか。とりあえず、そう簡単に善だの悪だと言えるもんじゃないことはわかる。因果関係の実態は、人間環境という複雑な要因が絡み合っている。その混乱さが嫌で、人間は後から価値観というラベル付けをしてしまうのだろう。こういったラベル付けにはあまり意味がないことが、こういう人間映画を見ればわかる。
原作小説がかなり面白いらしい。読みたい。
社会、言葉、常識に埋没しない力を感じる映画としては、「万引き家族」なんかもそう。こちらもいい映画だった。
原作小説
マスコミが報じない衝撃の事実!
事件を隠蔽し続ける腐敗組織の暗部を暴く!!
告発者と上官の相次ぐ怪死で真相は闇に葬られてしまうのか――。
チャカとシャブを密売し、女と金にまみれた「黒い警部」を生んだ道警の暴走を許すな!
捜査協力者というと響きはいいが、要は闇の世界に身をおきながら、警察の捜査に協力する密告者のことである。警察内部ではスパイの頭文字を取って「S」と呼んだりもする。(中略)
渡邉は暴力団組織に属したことはなく、一人裏社会で生きてきた。その一匹狼と、道警の幹部。二人には、蜜月と呼んでいいような時代もあった。
稲葉は渡邉が得た情報をもとにした捜査で手柄をあげて出世した。渡邉は稲葉をバックにして商売の手を広げ、億単位の金を動かすまでになった。しかし、稲葉が自ら拳銃や覚醒剤の密売に手を染めるようになったことで二人の関係に亀裂が走る。さらに、稲葉は覚醒剤で商売をするだけでなく、自ら注射して使用するようになる。――(本文より抜粋)Amazon商品紹介より
うーん、面白そう。「黒い警部」か。
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