論理って?推論って?
「論理」って何か説明できるでしょうか?
はっきり言ってかなり難しい。論理の意味を分かりやすく知りたい人に向けて書きます。論理的になりたい人にも役立つかもしれません。
・論理の根本ってなに?
・推論の正しさは何によって決まるのか?
・数理論理はどのように組み立てられるのか?
・論理という構造と言葉の意味
上のような視点のもと、論理の根本が知りたかった。これらの疑問を整理するのに、とてもいい本に出会えたので紹介します。論理学入門としても、数理論理学の背景を知るためにもオススメです。
タイトルの通り、「論理」についてよくわかります。数理論理学がモヤっとする人にもオススメです。今回のテーマ以外にも、本当に勉強になった本なので、いつかさらにまとめてみたい。
今回のメインは、「すべて」という言葉の使い方についてです。
この言葉の意味が、どのように論理、推論の本質とかかわってくるのか、読んでいってください。
推論の本質としてのある性質
論理はどのように機能するのか、という観点から論理を考えます。その機能が推論なのです。
推論は、仮定と結論からなります。
例として、正しい推論とされるソクラテス推論を考えます。
ソクラテス推論
仮定「人間は死ぬ」「ソクラテスは人間」から、結論「ソクラテスは死ぬ」を導く
では、なぜこの推論は正しいとされるのでしょう?
正しさの根拠を探るために、仮定の真偽と結論の真偽には一定の関係があることに注目します。その関係とは、
性質A「仮定が全部正しいときに、常に、結論も正しくなる」というもの。
ただし、「常に」の中身が重要です。
・判断する人が誰でも
・仮定や結論の中の3つの言葉の意味を変えても
つまり、性質Aは個々の言葉の意味に無関係に、位置関係だけで決まる形式的な関係です。この位置関係だけで決まるという点は、のちに説明します。
しかし、ソクラテス推論がこの性質Aを持つことがどうしてわかるのか?
モノと条件
言葉は大きく二つに分けられます。モノと条件です。
「人間」「死ぬ」は条件。
「ソクラテス」はモノ。
まずこの区別を普段は全然意識しませんよね〜〜。この言葉の区分けこそ、論理を考えていく上では重要になります。「法則」という概念に通じるからです!
法則文と「すべて」
モノと条件の違いをもとに単純な文は2つに分けられる。
・主語がモノ、述語が条件→事象文
「ソクラテスは人間である」
・主語、述語ともに条件→法則文
「人間は死ぬ」
なぜ法則文と呼ばれるのか?
「主語の条件を満たすものがすべて述語の条件をみたす」だから法則としての機能をもつ!!
つまり、「人間が死ぬ」という文は、「すべて」という言葉が省略されてしまっている。法則文は「人間はすべて死ぬ」と、本来は表されるものなのです。
ここまでで、「人間」「死ぬ」「ソクラテス」と「すべて」という言葉が出てきました。これらの言葉の違いこそが重要になります。
「すべて」という言葉は、他の言葉と比べて何が違うのか?
「すべて」という言葉の使い方はすべての人に共通なのです。
このようなすべての人が使い方を共有している言葉を論理語と呼ぶ。一方、人間、死ぬ、ソクラテスという言葉の意味は社会や人によって異なる。これを非論理語という。
「すべて」という言葉の特殊な性質がわかってきたでしょうか?
「すべて」という言葉の使い方
ここまで準備したことをもとに、もう一度問いを考えたい。
なぜソクラテスの推論は性質A持つのか?問いを整理すると、
人間、死ぬ、ソクラテスという3つの言葉の意味をどのように変えても、「人間はすべて死ぬ」と「ソクラテスは人間である」が正しいときに、常に、「ソクラテスは死ぬ」も正しくなる
この文が、なぜすべての人から正しいとされるのか??
分析するために、構造を見る。
非論理語は、特定の言葉である必要はない。変数で形式化してみる。
条件を表すX、Yとモノを表すxを使う。
「X、Y、xが何であれ、「XはすべてY」と「xはX」が正しいときに、常に、「xはY」も正しくなる
すると、この文に出てくる言葉で意味が決まっている言葉は?
そう、論理語の「すべて」だけです。
ということは、この文が正しいと判断される根拠は、「すべて」という論理語を私たちはそうなるように使っているから。
「すべて」という言葉の使い方が、この文が正しいことの理由になる!!!
なるほど、言葉の使い方にいくわけなんですね...
論理について、また少し学べた気がします。
論理についてさらに知りたい方はこちらをどうぞ。