記事の内容
ついに最終回を迎えたアニメ「どろろ」。
今回の記事では、最終回の感想、ネタバレをまとめていきます。
ネタバレになってしまうので、みていない方は注意です!
百鬼丸は鬼神になってしまうのか?
弟である多宝丸との戦いが続く。お互いに敵意をむき出して、激しくぶつかり合う。
しかし、戦う中、百鬼丸はこれまで出会ってきた人間たちの幻影を見る。多宝丸を殺すチャンスがあったにも関わらず、彼は弟の命を取らなかった。
『わからない…ただ…同じだ。お前も。お前は…人だ』
さっきまでお互いに激しく怒っていた2人の心はどんどん落ちついていく。
命を取られなかったことに感染し、多宝丸もやっと正気を取り戻す。鬼神に言われるがまま、兄の目と一体化していた多宝丸。彼は、正気に戻り、兄に目を返そうとする。
その過程で、最後の鬼神が登場するが、あっさりと百鬼丸に倒される。
それでようやく、すべての身体が百鬼丸に戻ることになる。目を取り戻した百鬼丸。
炎に包まれる中、彼は初めて自分の母親の顔を目にする。
さらに、自分の育ての親である寿海から、最後のメッセージをもらう。
「よいか百鬼丸。生きろ。その血にまみれた身体に、鬼ではなく人を宿せ」
百鬼丸は、母、弟、育ての親を炎の中に残しつつ、なんとか炎から逃げる。
百鬼丸と父親
城が焼け、全てを失った醍醐景光。
彼はすべての始まりである地獄堂にいた。そこにやってくる百鬼丸。
そこで、百鬼丸は自分の決意を語る。
もう殺さない。人の道を行く、と。
『俺は人だ。あんたも鬼神になるな。人として…生きろ』
自分の命をいいように利用した父親のことも、彼は許したのだ。
その様を目にし、父親は後悔のような回想をする。百鬼丸をこの国の領主として育てていたなら、どうなっていただろうか...と。
彼は、はっきりとは自らの心情を述べはしなかった。そのまま、戦での傷により、彼は息絶えることになる。
とうに、百鬼丸はその場を去っていた。
百鬼丸とどろろ
全てを取り戻し、人の道を行くと決めた百鬼丸。
鬼神へと至ってしまうような過去の自分との決別だ。自分をどん底へと追いやった憎き存在ですら、彼は許したのだ。これは、圧倒的な成長だと思う。
彼は文字通り、新しく生まれ変わった。ここからやっと、人としての人生がスタートする。
百鬼丸は人生をスタートさせるために、旅に出る。どろろを置いて。
どろろ本人も百鬼丸と別れたとしても、新しい目標ができている。その目標のために、どろろも進んでいく。
また百鬼丸が鬼神の道へと進んでいくかもしれない、という危惧に対し、どろろは断言する。「アニキなら大丈夫だ」と。
近い未来にまた、どろろと百鬼丸が再開することを示唆して、このアニメは終わる。
これが未来の成長したであろう百鬼丸の姿だ。(イケメンすぎぃ!)
百鬼丸の姿を追いかけるどろろの姿は、少女だ。目元が子供時代のどろろに似ている。
いくつかのエピソードで示唆されたように、どろろは女だったのだ。成長したどろろは、未来の百鬼丸とどうなっていくのだろうか。
希望のある終わり方だった。2クール分を使い、時間をかけて各キャラの深掘りができていたのが良かった。
琵琶丸という存在
この琵琶丸という存在の描き方が良かったと思う。
最後まで正体は分からない。しかし、百鬼丸とどろろの良きガイド役になってくれた。
完全な善人でも悪人でもない。そして、人生という大きな流れをよく知っている男。彼が背負っている運命が醸し出されるような描き方だった。キャラに味が出ていた。
総括
全体として、とても楽しめたアニメだった。アニメーションの質も高いし、物語の重さもあった。
アクションよりも、人の心の動きをもっと丁寧に描いて欲しかった。最終回もアクションシーンは多かったが、百鬼丸とどろろの2人の関係をさらに深掘りしてほしかった。
このどろろという物語は、原作では未完である。
このアニメ作品としてどのような着地点をもたらすのか、それを描くために2人の関係を丁寧に描いて欲しかった。
あまり描きすぎず、今後の2人の未来に期待するという終わり方だった。これはこれで、いい終わり方だったと思う。
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