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【高校生物入門5】細胞の分化とクローン 分化って謎い

記事の内容

 

このシリーズでは、高校の生物で扱う内容をざっくりと紹介します。

高校生が入門するのにも、社会人が復習するのにもおすすめです。

 

暗記になりがちな生物ですが、できるだけ生物学の面白さと不思議さを意識しながら進めていきます。

私自身、生物学に興味を持っているので、一緒に楽しく勉強していきましょう。

 

この本を参考にまとめていきます。

 

 

 

 

 

生殖と細胞分裂

 

 

受精卵からヒトへ

 

ヒトの始まりはどこからでしょうか?

 

ヒトも、最初は一つの細胞だったのです。

 

精子と卵子が出会い、受精卵ができます。

 

受精卵, ライブ, 出現

 

受精卵は、分裂します。

およそ、一週間で胞胚という状態にまで分裂し、子宮内に到着します。

 

 

 

 

 

 

分化のなぞ

 

たった1個の受精卵という細胞が、60兆個もの細胞に数を増やしていきます。

 

ただ、たんに数が増えるだけではありません。

 

ある細胞は神経細胞に、別の細胞は皮膚にと、それぞれ役割を変えていきます。

 

細胞がこのように機能を発揮できるのは、設計図をもっているからでしたよね。

 

分化した細胞の核に入っている遺伝子=設計図に注目してみると、ある謎が浮かんできます。

 

 

もともとの受精卵にはすべての設計図が入っています。

しかし、神経細胞であれば、神経のための設計図しかいらないはずです。

神経細胞には、目や腸の設計図はいりませんよね。

 

 

それなら、分裂して分化するときには不必要な部分を捨てて、必要な設計図の部分だけもらってくるのだろう、と想定できます。

 

一方で、分化した細胞の核の中にも、受精卵と同様にすべての設計図が入っているのだ、という考えもできます。

 

 

では、どちらが正しいのでしょうか?

これを解き明かした実験があるのです。

 

 

 

 

 

 

実験 クローンカエル

 

1970年に、アフリカツメガエルを使った実験が行われました。

 

受精するまえの未受精卵から核を除去します。

これにたとえば小腸の細胞の核を移植します。

 

ちゃんと細胞は分裂できるのでしょうか?

 

 

すると実験の結果、

ちゃんと、頭も尻尾ももった正常なオタマジャクシができたのです。

 

 

もし、分化した細胞の核が設計図の一部しかもらっていないのであれば、

小腸のお化け?にしかなれなかったはずですよね。

 

 

実験結果からわかるように、

小腸の細胞の核にも、皮膚の細胞の核にも、すべての設計図が残っているのです。

 

 

こうして誕生したオタマジャクシは、核を取り出した親のカエルと全く同じ遺伝子=設計図をもっています。遺伝的にまったく等しい個体をクローンといいます。

 

 

この実験では、オタマジャクシまでは発生したものの、変態して成体のカエルにはなれませんでした。体細胞をつかった完全なクローン動物は簡単にはつくれないのです。

 

 

一方、自然に生じるクローンもあります。

それは、一卵性双生児です。

一卵性の双子のこと、ですね。

 

ちなみに、二卵性双生児の場合は、受精卵も二つあるので、クローンではなく兄弟姉妹なのです。

 

 

 

 

 

クローン羊ドリー

 

1997年、クローン羊が作られたというニュースが話題になりました。

 

羊の乳腺の細胞の核を、核を取り除いた未受精卵に移植します。

 

高等な哺乳類の体細胞からクローン動物が作られたのです。

 

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羊でできるなら、人間でもできそうですよね?

しかし、倫理の問題上、禁止されています。

 

それに、遺伝的にはクローンであっても、同じ性格になることはありません。生活環境からの影響もうけて、人の人格は形成されるからです。

 

ここらへんが気になる人は、行動遺伝学がおすすめです。

 

クローン技術には、まだまだ克服しなければならない問題があります。

 

分化した細胞は何回も何回も分裂を繰り返して生じています。だから、設計図に傷がついている可能性があります。

 

クローン動物は寿命が短い、安全に成長する成功率がまだ低い、などの懸念もあります。

 

なぜ、クローン動物だとうまく成長しないのでしょう。色々と謎ですね...

現在、こうした謎はすでに解き明かされているのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

分化のなぞ

 

すべての設計図をもっているのに、細胞はなぜいろいろな種類の細胞に分化できるのでしょうか?

 

すべての設計図を持っている。けれど、不要な設計図は働かないように抑制されている、と考えられています。

 

この抑制をリセットできれば、正常なクローン生物が作れることになります。

 

 

しかし、

どうやって必要か不要かの状態を、細胞や遺伝子は知るのでしょうか?

 

「自分は爪になる細胞だ!」

と、どのようにして発生の過程で判断しているのでしょうか?

 

謎いですね...

 

 

 

 

 

 

 

万能細胞

 

受精卵が分裂して胞胚の状態のときに、細胞を取りだします。

それを人工的に培養し、分化しないままで細胞分裂だけを続けるという細胞を作り出すことに成功しています。

これがES細胞です。

 

ES細胞は、いろいろな条件を与えることで、特定の器官に分化する能力を持ちます。

 

 

新たに臓器を作れれば、ドナーがいなくても移植ができます。

このように、医療的な可能性はとても大きいです。

 

 

 

 

 

 

iPS細胞

 

ES細胞のばあい、赤ちゃんになりうる細胞をもとに作成しています。倫理的に問題です。

 

iPS細胞の場合、体の細胞をもとに作成しているのでこのような倫理的な問題もクリアできます。

 

また、自分の体細胞からiPS細胞をつくり、臓器を作れるのです。

従来の移植に比べて、拒絶反応の発生やドナーを待つという負担が減ります。

 

再生医療の発展に大きく貢献する可能性がありますよね。