記事の内容
今回は、この本を紹介します。
高校数学、大学数学で重要なベクトル。
この概念に馴染めているだろうか?
ベクトルという概念の本質を易しく解説してくれている。
高校生・大学生、学び直し中の社会人にも、最適な本だ。
この記事では、内容の簡単なまとめと、感想を述べる。
1
まとめ
- 力を表現するために、数を使う。ただし、力には向きと大きさがある。
- 力は数なのか?
- ベクトルは矢印なのか?
- 数は数字なのか?
気になったこと
概念そのものと、その表現の話だ。
深淵のようで簡単な話か?
いや、実はそんなに簡単な話ではないと思う。意味と形式という、哲学的な話題につながるはず。
2
まとめ
- ベクトルは勝手に動かしていいものなの?
- ベクトル同士が等しいの定義は?
- 数学的対象であるベクトルに定義を与える
- ベクトルの矢印は直線じゃなくてもいい
- 矢印ではなく、集合を使ってベクトルを定義する
- 新しい概念を作るために、同値関係を集合で割る。元の集合をもれなくダブりなく分ける。
気になったこと
それでは、数学的対象の定義はなんだろう。定義が明快なもの、と言いたくなる。それでは、明快な定義とは何か。うーん、数学の定義とは何か、という話につながる。そんなに明らかなテーマではない。なぜならば、新しい数学的対象が生まれた時、数学者からも批判されるからだ。たとえば、カントールの無限集合論が例だろう。発表当時は批判され、徐々に認められていった。これはつまり、数学的対象の定義とは、数学的に面白いことができるかどうか、が判定基準になるだろう。つまり、ある程度の発展時間が必要になる。まとめると、言葉だけで、厳密に、閉じた意味で定義を定義することは難しいということか。
3
まとめ
- ベクトルの内積は、《自分》と《相手の影》の積
- 内積はなぜ掛け算ぽいのか
- ベクトルの内積計算では、数同士の掛け算、ベクトルの内積、ベクトルの実数倍という種類の異なった演算が現れる。
4
まとめ
- 関数空間は、関数の集合である。
- 関数空間では、関数の大きさや関数同士のなす角度を考えられる。
- 一つの関数を、一つの点、一つのベクトルに見立てる。
- 大きさと角度から内積を定義するのではなく、逆に、内積から大きさと角度を定義する。内積が主人公になる。
気になったこと
関数空間まで扱うとは驚き!
大学数学が視野に入っている。内積が主人公になる意味がとてもわかりやすい。
引き続きまとめていきます。
ちゃんと読みたい方は、ぜひ本書へ。
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