記事の内容
この記事ではおすすめ本を紹介します。
テーマは、人工知能や認知科学です。
読み物的な入門書から理論系の本まで、できるだけ幅広く紹介したいです。
色々なテーマの本を読んでいますが、人工知能は理論的にも、実社会的にも、とても面白い話題ですよね。今後も目が離せません。そして、その背景にある認知科学も、話題が豊富で刺激的です。
それでは、目次をどうぞ。
- 記事の内容
- 人工知能と認知科学について
- 認知科学
- 心と脳 認知科学入門 安西祐一郎
- 教養としての認知科学 鈴木宏昭
- 類似と思考 鈴木宏昭
- 人間の解剖はサルの解剖のための鍵である
- 認知科学への招待 大津由紀夫
- コミュニケーションの認知科学1 言語と身体性
- 認知科学への招待 苫米地英人
- 知能の物語 中島秀之
- 認知科学講座4 心をとらえるフレームワークの展開
- 現れる存在 脳と身体と世界の再統合
- 脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす
- 脳の大統一理論 自由エネルギー原理とは何か
- コミュニケーション 大澤真幸
- 心の社会 マーヴィン・ミンスキー
- 認知科学への招待 チューリングとウィトゲンシュタインを道しるべに
- ゲーデル、エッシャー、バッハ あるいは不思議の環
- 人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
- かつてそのゲームの世界に住んでいたという記憶はどこから来るのか
- 千夜千冊エディション 心とトラウマ
- 相対化する知性
- 人工知能(機械学習)
- 人工知能の哲学
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人工知能と認知科学について
今となっては、人工知能という分野が大きくなりすぎた。だから、本来一緒であった認知科学が語られることは少なくなったのかもしれない。
しかし、最近のLLMという成功を見ると、また「認知とは何か」という根っこに回帰しそうな気もする。
知能を作る、知能の一部を再現する、という人工知能。
人の認知の仕組みを解き明かしたい認知科学。
「知能」の本質を探る旅。
どちらも学ぶのが楽しいと私は感じている。
この記事でも、両方に関する読書記録をまとめたい。
また、本来であれば、以下の記事にまとめているテーマもとても関係が深い。ぜひ併せて読んでほしい。
認知科学
心と脳 認知科学入門 安西祐一郎
人間とは何か? 社会や環境の中で、何かを感じ、知り、考える心のはたらきとはどのような仕組みか? それは脳の中でどのようにできているのか? 20世紀半ば、情報という概念を軸にして芽吹いた認知科学は、人間の思考や言語などを解き明かし、社会性や創造性の核心に迫っている。その全体像を描く、またとない入門書。
まさに、認知科学の入門書として最適な一冊。
教養としての認知科学 鈴木宏昭
第1章 認知的に人を見る
第2章 認知科学のフレームワーク
第3章 記憶のベーシックス
第4章 生み出す知性――表象とその生成
第5章 思考のベーシックス
第6章 ゆらぎつつ進化する知性
第7章 知性の姿のこれから
こちらも認知科学の面白さを堪能できる一冊。
類似と思考 鈴木宏昭
判断は類推に支えられる。心はどのようなメカニズムを持つのか。“われわれの認知活動を支えるのは、規則やルールではなく、類似を用いた思考=類推である”。本書は、この一見常識に反する主張を展開したものだ。類推とは、既知の事柄を未知の事柄へ当てはめてみることと考えられている。だが、それだけでは実態に届かない。その二項を包摂するもうひとつの項との関係の中で動的に捉えなければならない。ここに、人間の心理現象に即した新しい理論が提唱される《準抽象化理論》。知識の獲得や発見、仮説の生成、物事の再吟味にも大きな力を発揮する類推とは何か。心の働きの面白さへと誘う認知科学の成果。
人間の解剖はサルの解剖のための鍵である
●0・序
まえがき
序章:人間(再)入門のためにーー1989/2019/2049
●1・認知革命
ヒトの過去・現在・未来ーー『サピエンス全史』とともに考える
合理性のマトリックスとロボットの戦いーー認知と進化の観点から
社会問題としての倫理学ーー道徳心理学、人工知能、功利主義
人間の〈未来〉/未来の〈人間〉ーー産業社会論、SF、共和主義(稲葉振一郎+吉川浩満)
●2・進化と絶滅
「生きづらいのは進化論のせいですか?」ーー進化論と現代社会
人類の起源という考えそのものについてーー起源神話のふたつのドグマ
人新世における人間ーーヒトのつくった地質年代
絶滅とともに哲学は可能かーー思弁的実在論、未来の他者、女性の公式(大澤真幸+千葉雅也+吉川浩満)
●3・人物
リチャード・ドーキンスーー文明史におけるドーキンス
アンリ・ファーブルーー進化論ぎらい
多田富雄ーー自然科学とリベラルアーツ
見田宗介ーー大人の青年
バーナード・ウィリアムズーー道徳における運
●4・作品
21世紀の〈人間〉のための21冊ーーフーコーからポストヒューマンSFまで
『利己的な遺伝子』からはじまる10冊ーー刊行40周年を機に(橘玲+吉川浩満)
人間本性から出発するーーヒース『啓蒙思想2.0』、スタノヴィッチ『心は遺伝子の論理で決まるのか』(山本貴光+吉川浩満)
対立を調停するーーメタ道徳としての功利主義……グリーン『モラル・トライブズ』
リベラル派は保守派に学べ?……ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか』
リバタリアン・パターナリズムの可能性……サンスティーン『選択しないという選択』
チューリングの革命と変容するリアリティ……フロリディ『第四の革命』
ポジティヴ・コンピューティングの挑戦……カルヴォ他『ウェルビーイングの設計論』
汎用人工知能の文明史的意義……シャナハン『シンギュラリティ』
ゲノム編集技術はなにをもたらすか……ダウドナ他『CRISPR/クリスパー』
インターフェースをたどる哲学的実践……プレヒト『哲学オデュッセイ』
フロム・カタストロフ・ティル・ドーン……島田雅彦『カタストロフ・マニア』
危険な知識をめぐる二つの問い……映画『猿の惑星』シリーズ
レプリカントに人間を学ぶ……映画『ブレードランナー』『ブレードランナー2049』
人間に関する幅広い学問のアプローチ。
扱う話題がとにかく面白い。
進化心理学的な見方を重視している。
認知科学への招待 大津由紀夫
コミュニケーションの認知科学1 言語と身体性
人間は、なぜ言語以前の身体の知覚や感情を言語という記号に結びつけられるようになったのか。そもそも音声言語の進化的基盤はどこにあるのか。子どもの言語獲得や意図理解はどのように発達するのか。手話やジェスチャーはどのように生成されるのか。実験観察や計算モデルなどの手法を取り入れ、いわゆる「記号接地問題」を解く。
やや専門的。「記号接地問題への」アプローチを見る。
認知科学への招待 苫米地英人
一部界隈で有名な苫米地氏の本。
普通に勉強になる一冊。
知能の物語 中島秀之
「この本には知能の夢が壮大に描かれています」 羽生善治 名人
本書は、これまでの人工知能の発展や変遷の物語を縦糸に、人工知能研究自身が知能に関する物語の生成を目指しているという著者の考えを横糸に紡いでいる。
著者の人工知能に関する深い見識と考察は、読者が「知能」という捉えどころのないものを、「人工知能」という視座からアプローチする一助となる。文体は平易で、人工知能に興味のある読者や、知能・認知科学に関心のある読者には必携の書である。
知能の探究
知能に関する7つの不思議
人工知能研究の歴史
認識
学習
知識表現と推論
チューリングテスト再考
環境と知能
自然言語と対話
複雑系と知能
知能の未来の物語
とても面白い一冊。全体観を知りたい入門者にとてもおすすめ。
認知科学講座4 心をとらえるフレームワークの展開
序 第三世代の認知科学の可能性(横澤一彦)
1 統合的認知(横澤一彦)
2 プロジェクション科学(鈴木宏昭)
3 内受容感覚の予測的処理(大平英樹)
4 自由エネルギー原理――ホメオスタシス維持によるあらゆる脳機能の実現(乾 敏郎)
5 圏論による認知の理解(布山美慕・西郷甲矢人)
6 記号創発ロボティクス(谷口忠大)
7 全脳アーキテクチャ――機能を理解しながら脳型AIを設計・開発する(山川 宏)
自由エネルギー原理や圏論によるモデル化、全脳アーキテクチャなど、最近の話題が嬉しい。
現れる存在 脳と身体と世界の再統合
脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす
数理でモデル化していく過程が楽しい。
脳の大統一理論 自由エネルギー原理とは何か
すべての脳機能を統一的に説明できるモデルがある。
それが自由エネルギー原理だ。
知覚、認知、運動制御、感情、意思決定などの各機能は、「自由エネルギー」の最小化という共通の原理によって説明される。
・参考論文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnns/25/3/25_71/_pdf
自由エネルギーは、数学的には「変分自由エネルギー」として定義されます。これは、生体システムの内部状態と外部環境の不確実性を表す指標で数式で表現できる。
知覚・感覚入力が与えられたとき、自由エネルギーを最小化する「隠れ状態」と「モデルのパラメータ」を見つけることで、最適な内部表現を得る。
環境の不確実性の表現: 隠れ状態は、環境の不確実性や変動性を確率分布として表現します。これにより、脳は環境の複雑さや予測困難性を内部的に表現できます。
予測と更新のサイクル:
- 予測:隠れ状態に基づいて、脳は将来の感覚入力を予測します。
- 更新:実際の感覚入力と予測との誤差に基づいて、隠れ状態が更新されます。
行動による環境操作: 能動的推論の枠組みでは、脳は隠れ状態の予測に基づいて行動を選択し、環境に働きかけます。これにより、予測と実際の感覚入力のギャップを最小化しようとします。
コミュニケーション 大澤真幸
コミュニケーションは奇蹟である。われわれは常に、他者たちとコミュケーションをとっている。だがどうしてそんなことができるのか。いかにしてコミュケーションは可能なのか。コミュニケーションが現に生起しているということは、大きな神秘、その謎が解ければほかのすべてのふしぎは消え去るのではないかと思えるほどに大きな神秘である。まずは、コミュニケーションの神秘がまさに神秘である所以を理解しておく必要がある。コミュニケーションはどのような意味で奇蹟なのか。
世界とは結局のところ、他ならぬこの私にとっての世界である。誰にとっても、世界は、〈私〉の認識と相関してたち現れており、それ以外に世界は存在しない。「〈私〉にとっての」という条件から独立した世界そのものは、誰に対しても現れず、存在しないはずだ。(本書「はじめに」より)
《目次》
第I部 基礎理論
第1章 コミュニケーションの(不)可能性の条件──沈黙の双子をめぐって
1.社会学の主題としてのコミュニケーション
2.沈黙の双子
3.関連性理論──フレーム問題の魔術的解決?
4.嫉妬と抑制
5.他者の欲望
6.言語行為の構造
7.沈黙の構成
8.電話と郵便と魔法
9.アメリカと子どもと放火
10.内在と超越
第2章 フレーム問題再考──知性の条件とロボットのジレンマ
1.間抜けなロボットたち
2.解決への試み
3.表象主義の陥穽
4.無視すること
5.サーカムスクリプション
6.集合論的類比
7.他者の潜在性
深層学習(ディープラーニング)はフレーム問題を克服できるか?
1.第三次AIブーム
2.深層学習
3.それはまったく解決されていない
4.記号接地問題
第3章 根源的構成主義から思弁的実在論へ……そしてまた戻る
1.社会学理論の到達点――根源的構成主義
2.相関主義を超えて
3.二重の偶有性
4.理論と哲学
第II部 応用
第4章 交換にともなう権力・交換を支える権力
1.交換理論の基本着想
2.権力とは何か
3.所有とは何か
4.富=権力説
5.交換に伴う権力
6.交換を支える権力
7.二つの権力
交換理論について
第5章 脳科学の社会的含意
1.内部と外部の界面
2.〈社会〉としての脳
3.三層の自己
4.だます情動
第6章 精神分析の誕生と変容──二〇世紀認識革命の中で
1.エディプス神話の改訂版?
2.相対性理論と探偵
3.死んだ父
4.量子力学と「もう一人のモーセ」
5.死の欲動
第7章 女はいかにして主体化するのか──河合隼雄の『昔話と日本人の心』をもとに
1.「その部屋」を見てはなら
2.宮廷愛との比較
3.異類としての女
4.女の憂鬱/笑いの誘発
5.穴底の三位一体
コミュニケーションという問題。
やや哲学より。
フレーム問題などが気になる人はぜひ読んでほしい。
心の社会 マーヴィン・ミンスキー
これは色々と遊べる本。さまざまなヒントが詰まっている。
心は個々には心を持たないエージェントからなる社会である、とする。
認知科学への招待 チューリングとウィトゲンシュタインを道しるべに
1994年発売。
ウィトゲンシュタイン、チューリングという名前に惹かれて読んだ。
ゲーデル、エッシャー、バッハ あるいは不思議の環
認知科学にジャンル分けするか微妙なところだが、知能の謎へのさまざまなヒントに触れられる。名著であり大著。
人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
認知バイアスの本質を実感できる名著。
かつてそのゲームの世界に住んでいたという記憶はどこから来るのか
想定もしていなかったような「外部」がやってくる受動性。
その受動性の構造を示す。
その構造こそ、「肯定的アンチノミーと否定的アンチノミー」の共立である。
まだまだ哲学的な議論が多いが、部分的には数理と接続されている。とても刺激的。
対象と表象。
量子論的認知科学を導く天然知能。
・関連論文
トラウマ構造(traumatic structure)は、この論文で提案されている概念で、自然知能(natural-born intelligence, NBI)における認知や知覚のプロセスを説明するために用いられています。
1. 二項対立の共存:
トラウマ構造は、外部の対象(object)と脳内のイメージ(image)という二項対立の間に生じます。この二項対立は、同時に正の二項対立(positive antinomy)と負の二項対立(negative antinomy)を含んでいます。2. 正の二項対立(positive antinomy):
対象とイメージが直接的に対応している状態を指します。例えば、目の前にある猫(対象)を「猫」として認識する(イメージ)ような場合です。3. 負の二項対立(negative antinomy):
対象とイメージが直接対応していない状態を指します。例えば、目の前の猫が「典型的な猫ではない」と感じるような場合です。この場合、対象は「猫以外の何か」としてイメージされ、同時に「典型的な猫」のイメージは目の前の対象以外のものと結びつきます。4. 空間的分化:
正の二項対立と負の二項対立が同時に存在するため、これらは空間的に分化されます。論文では、これを二項関係の中で対角関係(diagonal relation)とその周囲の背景(background)として表現しています。5. コンテキスト依存性:
各知覚や認知は、この対角関係の中で区別され、これがコンテキストとして機能します。6. 創造性の源:
トラウマ構造は、既知の枠組みの外部から何かを呼び起こす装置として機能し、これが創造性の源となると考えられています。7. 量子論理との関連:
このトラウマ構造が、最終的に直交モジュラー格子(orthomodular lattice)として表現できることが示されており、これが量子論理(quantum logic)と同等であるとされています。このトラウマ構造の概念は、日常的な認知プロセスの中に量子論理的な構造が内在していることを示唆し、マクロな現象における量子理論の適用可能性に新しい視点を提供しています。
・「正の二項対立」と「負の二項対立」が共立する理由
・トラウマ構造が外部を読み込むことができる理由
1. 「正の二項対立」と「負の二項対立」が共立する理由:
「正の二項対立」と「負の二項対立」が共立する理由は、人間の認知プロセスの複雑性と曖昧性にあります。具体的には:
a) 同時性:
人間の認知は一つの対象に対して複数の解釈や認識を同時に持つことができます。例えば、目の前の動物を「猫である」と認識すると同時に「典型的な猫ではない」と感じることができます。b) 文脈依存性:
認知は常に特定の文脈の中で行われます。ある文脈では対象とイメージが直接対応し(正の二項対立)、別の文脈では対応しない(負の二項対立)ことがあります。c) 認知の多層性:
認知プロセスには意識的なレベルと無意識的なレベルがあり、これらが異なる解釈を生み出すことがあります。d) 不確実性の存在:
現実世界の対象は常に完全に定義されているわけではなく、曖昧さや不確実性を含んでいます。この不確実性が正と負の二項対立を同時に生み出す要因となります。2. トラウマ構造が外部を読み込むことができる理由:
トラウマ構造が外部を読み込むことができる理由は、以下のように説明できます:
a) 開放性:
トラウマ構造は、既知の枠組み(正の二項対立)と未知の可能性(負の二項対立)を同時に含んでいるため、新しい情報や解釈に対して開かれています。b) 非局所性:
トラウマ構造は、直接的な対応(局所的な関係)だけでなく、間接的な関係(非局所的な関係)も含んでいます。これにより、直接的には関連していない情報も取り込むことができます。c) 動的な再構成:
正と負の二項対立の共存により、認知構造が常に動的に再構成される可能性があります。これにより、新しい情報や視点を柔軟に取り入れることができます。d) 背景の存在:
トラウマ構造には、直接的な対応関係(対角関係)だけでなく、それを取り巻く背景も含まれています。この背景が、既知の枠組みの外部からの情報を受け入れる余地を提供しています。e) 量子的な重ね合わせ状態:
トラウマ構造が量子論理と類似した構造を持つことから、複数の可能性が重ね合わさった状態を表現できます。これにより、従来の二値論理では捉えきれない曖昧な情報や矛盾した情報も取り込むことができます。これらの特性により、トラウマ構造は既知の枠組みを超えた外部の情報を読み込み、処理することができると考えられています。
千夜千冊エディション 心とトラウマ
鬱が蔓延している。社員の17%が鬱と診断された会社もあるという。もはやひとごとではない。意識や精神はどこにあるのか。脳と心は別ものなのか。自分の中に別人がいる感覚や、鏡の中に自分がいる感覚。だれもが持ちうる違和感に焦点をあてる。
子どもの期間が長く、子どもの特徴を残したままゆっくりと成熟することを生物学で「ネオテニー」という。人間やカエルなどもそれにあたる。成長しきれない1つ前の段階、それが何らかのきっかけで解除できず幼児性が出てしまうことも、ひとつの精神現象なのかもしれない。
なにかと生きづらさを感じるこの世の中で、自分の中の道しるべにふと気づける本が満載。
相対化する知性
kindle unlimitedなら読み放題の対象です!!
人工知能(機械学習)
一般向けの読み物からやや専門的なものまで。
データサイエンス寄りなものは除外している。
ここ数年、LLM周りの進歩が凄まじい。LLM関連の本はまだまだ読めていないので、今後、吸収していきたい。
人工知能は人間を超えるか 松尾豊
まずはこの一冊から。専門家によるバランスの良い入門書。ただし、発売が2015年なので、最近の話題は載っていない。
深層学習の原理に迫る 数学の挑戦 今泉允聡
深層学習の原理原則に触れられる!!理論が気になる方におすすめ。
大規模言語モデルは新たな知能か 岡野原大輔
対話型サービスChatGPTは驚きをもって迎えられ,IT企業間で類似サービスをめぐる激しい開発競争が起こりつつある.それらを支える大規模言語モデルとはどのような仕組みなのか.何が可能となり,どんな影響が考えられるのか.人の言語獲得の謎も解き明かすのか.新たな知能の正負両面をみつめ,今後の付き合い方を考える.
LLMについての基礎をざっと確認できる。トランスフォーマーの仕組みについては、まだ消化不良。
数理科学 生成AIのしくみと数理
生成Aiの基礎を概観する。
ゼロから作るDeep Learning 斎藤康毅
深層学習を作って理解する!!やはり、作ることによる理解は大きい!!技術書としてはめっちゃ売れている。
わかりやすいパターン認識 石井健一郎
初学者でも入りやすい機械学習の理論書。これを足がかりにもっと本格的な理論書に進んでみるのが良いかも。
ちなみに、私は最も有名な以下の本になんの知識もなく挑戦して挫折しました笑
こちらの資料がおすすめ。
ベイズ推論による機械学習入門
ベイズ学習とは何か?ベイズ統計学と機械学習の関係性をざっと学ぶために良い本。
機械学習のための関数解析入門 ヒルベルト空間とカーネル法
本書では理工系学部の標準的な数学の知識を前提に「機械学習のための関数解析入門」と題してカーネル法の理論と応用の解説を試みる.第1章では内積の計算を中心に線形代数の復習をしよう.第2章では,フーリエ解析と複素解析からいくつかの事実を認めて,内積の数学としてのフーリエ解析を解説する.第3章ではヒルベルト空間の基礎理論を解説する.ヒルベルト空間とは,第1章と第2章の数学に共通した構造を抽出した概念である.ここで抽象的な内積の計算に慣れてしまえば,カーネル法の理解は難しいことではない.第4章ではカーネル法の基礎を,理論と応用を交えて解説する.第5章ではカーネル法の発展編としてガウス過程回帰を解説する.ここで数学の枠を超えた本格的な応用を紹介しよう.付録では,本書を読む上で知っておくと便利なことや,少々進んだ話題をまとめた.さて,本書の読み方であるが,目的や事前の知識の量に依り,様々な道筋が考えられる.例えば,カーネル法を手短に知りたい場合,第1章から第4章,第5章と進むことが可能であろう.また,半期の講義で使用する際は,第1章,第3章,第4章を中心としたコースが適当であろう.数学や情報科学専攻の学生には,卒業研究などでの通読を勧めたい.
関数解析の入門としてもおすすめ。
人工知能の基礎 小林一郎
深層学習が流行る前までの人工知能研究のまとめ。長年変わらない基礎が気になる人向け。
強化学習アルゴリズム入門: 「平均」からはじめる基礎と応用
本書は、そのハードルの高さを解消することを目的としています。平均という初歩的な数学を使うことで、「価値」「探索」「マルコフ性」といった強化学習の基本をわかりやすく解説します。
また、各アルゴリズムについては、「多腕バンディット問題」および「グリッドワールド問題」のいずれかを用いて、比較しやすい状態で解説します。そのため、各アルゴリズムの特徴や差異がわかりやすくなっています。さらに、中核的なアルゴリズムについては、PythonとMATLABの2種類のコードを、オーム社のWebサイトおよびGithubで配布します。配布コードを実行することで、「原理→数式→プログラム」という一連の流れを直感的に把握できます。【本書の特徴】
・難解な強化学習の原理を、中高生にもなじみ深い「平均値の計算」という観点からわかりやすく解説します。
・さまざまなアルゴリズムを、共通する例題を用いて特徴がわかりやすいように比較します。
・PythonとMATLAB、2種類のコードを配布します。
強化学習は、「知能」を作っている感じがして好み。
ITエンジニアのための強化学習理論入門
第1章 強化学習のゴールと課題
1.1 強化学習の考え方
1.2 実行環境のセットアップ
1.3 バンディットアルゴリズム(基本編)
1.4 バンディットアルゴリズム(応用編)
第2章 環境モデルを用いた強化学習の枠組み
2.1 マルコフ決定過程による環境のモデル化
2.2 エージェントの行動ポリシーと状態価値関数
2.3 動的計画法による状態価値関数の決定
第3章 行動ポリシーの改善アルゴリズム
3.1 ポリシー反復法
3.2 価値反復法
3.3 より実践的な実装例
第4章 サンプリングデータを用いた学習法
4.1 モンテカルロ法
4.2 TD(Temporal-Difference)法
第5章 ニューラルネットワークによる関数近似
5.1 ニューラルネットワークによる状態価値関数の計算
5.2 ニューラルネットワークを用いたQ-Learning
ベイズの誓い 松原望
人工知能の哲学
人工知能のための哲学塾 三宅陽一郎
人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇
人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇 | 三宅 陽一郎 | 工学 | Kindleストア | Amazon
人工知能の哲学入門 鈴木貴之
最新の成果まで踏まえて、原理を考慮し哲学している。人工知能に興味があるならぜひ読んでほしい一冊。
人工知能の哲学 松田雄馬
AI原論
AI倫理-人工知能は「責任」をとれるのか
AI VS. 教科書が読めない子どもたち
名著。
社会的な課題、人間知性の本質について、知るきっかけになるはず。
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