記事の内容
この記事では、「心の哲学」を学ぶための本を紹介します。
全て私が実際に読んだ本です。
この記事を開いているみなさんにとって、心の哲学とは何か、という説明は不要でしょう。
・物質世界において、心や意識というものをどう位置付けるか。
・心や意識のすべてを、物質科学だけで説明できるのか。
今後は、一冊一冊について、そのエッセンスをまとめていきたいと思います。引き続き、この記事を更新していきます。
それでは、目次をどうぞ。
- 記事の内容
- おすすめ本を他にもまとめています
- おすすめ本紹介
- 読書記録
- 脳がわかれば心がわかるか 山本貴光、吉川浩満
- 心の哲学入門 金杉武司
- ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう
- 哲学入門 戸田山和久
- 恐怖の哲学入門 戸田山和久
- 分析哲学講義 青山拓央
- クオリアと人工意識 茂木健一郎
- 「心の哲学」批判序説 佐藤義之
- 心と他者 野矢茂樹
- 心という難問 野矢茂樹
- 自由意志の向こう側 決定論をめぐる哲学史 木島泰三
- 未来は決まっており、自分の意志など存在しない 心理学的決定論
- 魂と体、脳 計算機とドゥルーズで考える心身問題 西川アサキ
- 現代思想2020年6月号 特集=汎心論――21世紀の心の哲学
- 天然知能 郡司ぺギオ幸夫
- かつてそのゲームの世界に住んでいたという記憶はどこから来るのか 郡司ぺギオ幸夫
- 心はすべて数学である 津田一郎
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おすすめ本を他にもまとめています
おすすめ本紹介
心に関する学問はとても幅広い。
・脳神経科学
・心理学(心理学も幅広い)
・認知科学 人工知能
・進化心理学 進化生物学
・精神分析
多くのジャンルがありすぎて、これらの間の関係性を記述するだけでも一苦労だろう。
そこで、今回は、主に哲学に属する議論に焦点を当てたい。
ズバリ、心の哲学と呼ばれるジャンルである。
一言でいうなら、
物質の世界である脳と、そうではない世界にある心の関係を整合的に説明しよう、
という試みのこと。
それでは、本を紹介しよう。
読書記録
脳がわかれば心がわかるか 山本貴光、吉川浩満
1冊目として紹介したいのはこの本。
心の哲学への案内として最適。
心と脳の関係において、私たちが陥りがちな誤解を整理してくれる。その上で、心の哲学の軸を分かりやすく教えてくれる。本書には、参考文献が多数紹介されている。よって、学習面でもとても親切。
心の哲学入門 金杉武司
心の哲学の教科書的な入門書。
どんな考え方があるのか、中立的に紹介してくれる。
文章や論理構成も、とても読みやすい一冊。
ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう
心脳問題を解決しようという野心作。
問題設定だけで終わるのではなく、きちんと解決方法まで示されている。
全体的に分かりやすく書かれている。哲学書のなかでは、読みやすい方。
「本来的表象」という概念で、意識の謎を解く。
哲学入門 戸田山和久
恐怖の哲学入門 戸田山和久
分析哲学講義 青山拓央
本書は、基本的には言語哲学、分析哲学に関する本。
しかし、一部で心の哲学に関する記述がある。
特に、心の哲学の大御所であるサールへの返答の節は必読。
クオリアと人工意識 茂木健一郎
ジャンル分けが難しい本。
神経科学、人工知能の話題が多い。
しかし、クオリアに対する茂木の主張はやや哲学よりだと思う。主張の根拠そのものは、科学的というよりも哲学に近い。
ぜひ読んでほしい一冊。
「心の哲学」批判序説 佐藤義之
心と他者 野矢茂樹
ウィトゲンシュタインの規則のパラドクス、アスペクト論。そこで浮かび上がる、他者という規範。これらが心の哲学にどう接続されるのか。
心という難問 野矢茂樹
自由意志の向こう側 決定論をめぐる哲学史 木島泰三
人間は遺伝子に操られているのか?
宇宙開闢の時点で、その後の出来事は一通りに決まっていたか?
運命はあるのか?
人間と機械は何が違うのか?
こうした疑問はすべて人間の自由意志の問題であり、
デモクリトスからスピノザ、デネットまで、
決定論の哲学史に刻まれている。
ダーウィンや神経科学など自然科学的観点も検討しつつ、
決定論のこれまでとこれからを考える。
未来は決まっており、自分の意志など存在しない 心理学的決定論
あなたが本書を手にすることは、138億年前から決まっていた。――心理学、生理学、脳科学、量子論、人工知能、仏教、哲学、アート、文学、サブカルを横断し、世界の秘密に挑む。気鋭の心理学者による“トンデモ本”。
ユニークな一冊。自由意志論の哲学とともに、ぜひ読んでみてほしい。
魂と体、脳 計算機とドゥルーズで考える心身問題 西川アサキ
ライプニッツのモナドロジー、ベルグソン『物質と記憶』、ドゥルーズ『シネマ』『襞』……「私の発生」をめぐる思考をシミュレーションする! 本当に存在するものは何だろうか? 私の「今・ここでの体験」だろうか? それとも、他人からみた「物質としての脳」だろうか? もちろん、両方だろう。ところが、そう言った瞬間、「私の」体験と「他人からみた」脳を結ぶメカニズムが知りたくなる──ライプニッツのモナドロジー、ドゥルーズの思考を、コンピュータ・シミュレーションで展開。心身問題への新たなアプローチがはじまる!
現代思想2020年6月号 特集=汎心論――21世紀の心の哲学
天然知能 郡司ぺギオ幸夫
心の存在様式。
外側から絶えず何かが侵入してくる。
機械とは違う、生物としての知能のあり方。
さまざまな気づきが得られる独創的な一冊。
かつてそのゲームの世界に住んでいたという記憶はどこから来るのか 郡司ぺギオ幸夫
「人間の意識はすべて計算可能である」――そんなわけない。
遭遇したことのない、予想できない、未知なるものにつねに開かれた、際限なき世界に生きるということはどういうことか。ダンス、メタバース、クイズ番組、ホラー映画……身近なクリエイティビティの生まれる場所に宿る知にアプローチする、「天然知能」の新展開。
心はすべて数学である 津田一郎
無限、カオス、ゲーデルの不完全性定理。「不可能問題」に取り組む古今の数学者らの純粋な姿が、著者に確信的インスピレーションを与えた。「数学は心だ」。共通難問を追究する人類の数学的営みが脳を発達させ、記憶、思考・推論、感覚・知覚といった心の働きを生む。諸研究を用いて語られる「心」と「脳」の関係は、固いアタマに風穴を開けてくれる。世界最先端の数学者による思索の書。
類似ジャンルの紹介記事はこちら
今回紹介できなかったジャンルに、仏教哲学がある。仏教も、人の心について深い考察に溢れている。
本記事の内容も、定期的にアップデートしていく予定である。
あらゆるテーマのガイドラインはこちら。
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