記事の内容
この記事では、言葉と論理と認知について勉強できる本を紹介したい。
すぐに役立つ本よりも、そもそもを深ぼる学問的な本を中心にまとめたい。
・言葉とは何か?
・言葉と認知の関係
・言葉と論理の関係
・言葉と記号の関係
こうしたテーマに興味がある私がこれまで読んできた本をリストアップする。
私自身の勉強のため、というのが一番の目だが、興味がある人には役立つかもしれない。
それでは、目次をどうぞ。
言葉、意味、認知
働きたくないイタチと言葉がわかるロボット
自然言語処理について、言語学者がやさしく解説してくれる本。
AIの発展が急速な現代に必須な基礎が分かる。
機械が言葉を分かるとはどういうことか?
言語学の教室
言語と認知の不思議について、そもそもを深ぼる。
1
「彼女に泣かれた」とは言うのに、「財布に落ちられた」と言わないのはなぜ?
こうした問いが認知言語学の問い。
チョムスキーの生成文法が言語知識を他の心の働きから自律したものと考えたのに対して、認知言語学では、心の働き全体と不可分なものとして考えた。
2
「太郎が花子に話しかけた」と「太郎が花子に話しかけてきた」は、事実は同じだが意味が違うようにみえる。だから、この意味の違いを扱うには、主体が物事をどう捉えているか、私たちの認知のあり方を意味に反映させなければならない。
認知言語学では、文法と意味は不可分、とみる。
3プロトタイプ意味論
認知言語学では、意味をプロトタイプを中心にとらえる。典型例や「らしさ」をもとにゆるいカテゴリーを考える。これこそが意味の姿だ。
5
わたしたちの概念体系がメタファーに基づいている。だから、言語表現にもメタファーがみられる。概念とは、カテゴリー化の原理のこと。つまり、認知のあり方のこと。カント的。そうすると、実証科学からは遠ざかる。認知言語学の全てが実証科学的でなくてもいいのでは、と野矢は言う。言語現象に対する新しい見方を掲示できれば、それだけで価値がある、と。歴史学に近いかも、と西村は言う。起こったことを後から見て、こういう経緯で考えるのが納得いく、と。
メタファー発生の現場では、法則性よりも創造性が重要だろう。「目が釘付けになる」などの死んだメタファーには、みんなが慣れ、それはもはや多義語と化す。
メタファーの創造性は、一つの固定した言語体系に収まらない言語変化の運動において成立するのでは。そもそも、言語は流動的、ゆらぎ。通時的な視点が重要。
分析哲学講義
言語と概念を論理的に分析することにより哲学する。
分析哲学の一冊目におすすめ。
分析哲学入門
理性の限界、知性の限界
2冊セットで読んでほしい。
知性や論理のさまざまな限界について、面白くまとまっている。
論理哲学論考、言語ゲーム
言葉と現実世界の関係を考えるきっかけとして、論理哲学論考はとても面白い。
論考から言語ゲームに至るウィトゲンシュタインの変化そのものがとても勉強になる。
言葉の魂の哲学
言葉に宿る魂とは?
ただの線の集まりである言葉を、言葉にさせているのは何か?
論理
言語と論理の関係も興味深い。
数学の論理を対象にする数理論理学も、とても好きなのだが今回は除外している。
思考・論理・分析
論理学
規則と意味のパラドックス
論理学超入門
論理の哲学
記号
新記号論
記号と再帰
ゲーデル、エッシャー、バッハ
メタマジックゲーム
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