記事の内容
この記事では、
オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題「あなたは自分を利口だと思いますか?」
世界トップ10に入る両校の入試問題はなぜ特別なのか。さあ、あなたならどう答える?どうしたら合格できる?難問奇問を選りすぐり、ユーモアあふれる解答例をつけたユニークな一冊!
という本を紹介します。
オックスフォードまたはケンブリッジ大学の入試面接にて出題された問題を紹介してくれる本です。
そうした問に対して、答えではなく考えるヒントを著者が示してくれます。
それでは、実際に問題をみてみましょう。
オックスフォード大学入試問題「あなたはクールですか?」
絶対的な答えはありません。
著者のヒントを見てみましょう。
著者は、語源をふりかえりつつ、社会的な問題まで発展させていきます。
クールという比喩は、若い世代ではナイスなこと全般を表すのに使われています。しかし、みんなが使い過ぎているため、普通になってしまい、言葉の本来のイメージが薄れてしまっています。
それでは、本来のクールのイメージとは何でしょうか。
大勢から超然と離れ、冷笑的な態度でいる、というイメージです。
ダヴィンチの「モナ・リザ」こそ、ぴったりなイメージです。
また社会的な逆境にユーモアで立ち向かう様とも関係しています。最下層の立場でも、自分の虐げられた立場を皮肉たっぷりのウィットで抗議する姿勢を称える言葉が、クールです。
また違う視点で考えます。
私たちが使うクールの源流は、1930年代のアメリカの黒人ジャズから生まれたという説もあります。極寒のなか、窓を開け放っていたクラブでのミュージックが、クールジャズと呼ばれていたというのです。
その後、攻撃的で力強い姿勢を表す言葉として、若者全般に広がっていきました。
クールな態度は、社会の隅へと追いやられた若者にとって、自信と自尊心を得るのに欠かせない要因となっていたのです。
そのあと広まるにつれ、肯定的で親しみのある表現になっていきました。しかしその分、差別的なイメージも帯びてきたのです。
スタイリッシュでファッショナブルな人たちと、ダサくて気弱な負犬たち。クールかクールでないかは、差別的な意味を帯びます。
クールに当てはまらない人は、今ではいじめの対象にもなってしまいます。
さらに残念なことは、広告業界がクールというイメージを商売に利用している点です。本来は反体制的な言葉だったのに。皮肉な話ですね。
クールにこうした攻撃的な側面があるなら、「いいえ、私はクールではありません」と答える、と著者は言います。ある概念に当てはまらない人を虐げたり、上っ面で一過性の流行的な価値基準も嫌いだからだ、と。
私自身は、クールで表されるようなイメージに似合わない。クールではなく、生ぬるいと言えるかもしれない、と著者はユーモアで締めます(笑)
ユーモアを返す態度
みなさんはどう感じたでしょうか?
著者は、クールという言葉の語源をふりかえり、社会的な視点から差別などについても論じています。
最後にユーモアで締めくくるという態度こそ、クールなのではないでしょうか?(笑)
実際に入試面接でこの問いが出題されたなら、ユーモアで答えるのがナイスな答えかもしれません。
しかし、絶対的な答えはありません。考え続けることを楽しみましょう。
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