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眼球堂の殺人【ネタバレ感想】壮大すぎ!驚天動地の建築トリック

記事の内容

 

この記事では、ミステリー小説

 

眼球堂の殺人

 

 

という本を紹介します。

 

クローズドサークル、館ミステリという特徴を持った作品です。

 

そして、この作品の凄さは、舞台となる場所、館、建築物の設計です。

 

この作品の面白さとネタバレ感想をまとめます。

 

 

 

 

眼球堂の殺人 周木律 あらすじ

 

新たな理系&館ミステリ。シリーズ第一作神の書、“The Book”を探し求める者、放浪の数学者・十和田只人(とわだただひと)がジャーナリスト・陸奥藍子と訪れたのは、狂気の天才建築学者・驫木煬(とどろきよう)の巨大にして奇怪な邸宅“眼球堂”だった。二人と共に招かれた各界の天才たちを次々と事件と謎が見舞う。密室、館、メフィスト賞受賞作にして「堂」シリーズ第一作となった傑作本格ミステリ!

 

 

 

 

 

ネタバレなし感想

 

シンプルに面白いミステリでした!!

 

ミステリの館トリックの種明かしが壮大で新しく、面白いです。

 

舞台となる眼球堂の構造と思想が大きく、事件の核心に関わっていきます。

 

ミステリーという作品の醍醐味を十分に堪能できました。

 

さらに、館トリック以外のところにも仕掛けがあります。二重の仕掛けです。

 

そして、登場人物たちもそこそこ魅力的です。

 

語り手である陸奥と、天才数学者である十和田。

このコンビが色々特徴的で、場を和ませてくれます。

 

そして、徐々に探偵役を担っていく過程も自然です。

 

この世の真理全てが描かれているというザブックを探している十和田。彼の思想的な特徴は読み応えがあります。理系的かつ哲学的。知的にも楽しめる一作です。

 

しかし、数学者が二人出てくる分、数学に関する雑学、思想が多めです。ここがややありきたり。理系な人にとっては、飽きてしまうかもしれません。

 

 

 

 

 

ネタバレあり感想

 

眼球堂の仕掛け

 

これがすごい!!

このトリックのために、わざわざこんな建築考えたのか、という楽しさと驚きがあります。

 

眼球堂は、窪んだ構造をしています。

 

お椀の中のある一点に、人が暮らせる建物がある、という状況です。その建物の出入り口は、お椀の底から高さ10m程のところにあり、誰も侵入することは不可能です。そんなクローズドな環境で、殺人事件が起こります。

 

窪んだ場所に水を貯めることで、水がない状態では移動不可に見えた場所にアクセスすることが可能になるのです。犯人は、泳いで移動していたのです。これで、クローズドに見えた館がそうではないことが明らかになります。

 

さらに、面白いのは、犯人が隠れていた場所。

 

ここに、眼球堂という名前がからんできます。

 

眼球には、盲点があります。構造上、見えない場所です。

 

同じく、眼球堂にも、盲点を実際に構成したのです。この盲点は、館からは、構造上見えません。それに、図面からも隠されていました。この場所に犯人は隠れていたのです。

 

以上、眼球堂という特殊な場所を利用した、とても面白いトリックでした。

 

 

 

第二の仕掛け 叙述トリック

この作品は、実はどんでん返し物でもあります。

 

なんと、語り手である陸奥こそが真犯人だったのです。

 

しかし、このトリックには気づいてしまいました。

 

・普通のライターであるはずの陸奥がずいぶん理系的な話に詳しい

・陸奥の性格を特殊なものである示唆がある

・いるはずの人がいない。ということは、陸奥が怪しい。

 

色々、ヒントが多かったように思います。

 

もっと、隠されていてもよかったかな、と。

 

しかし、十分この仕掛けにも満足できる人はいるはずです。

 

 

 

 

 

 

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