記事の内容
今回の記事では、映画「アルカディア」について紹介します。
子どものころに脱退した宗教の村に、また戻ってきてしまう兄弟。彼らを待ち受ける驚愕の展開が見どころの映画です。
ジャンル分けが難しい映画ですね。抽象的ではっきりしない映画です。
できるだけ、考察していきたいと思います!
それでは、目次をご覧ください。
アルカディア あらすじ
この村は、全てが狂ってる。
カルト集団とも言われる自給自足の村“アルカディア”を10年前に脱走し、今は街で暮らしているジャスティスとアーロンの兄弟。しかし幼い頃から特殊な生活をしていた2人は、世間にうまく馴染めず、友人も恋人も居ない。そんなある日、兄弟はアルカディアから送られてきた一本のビデオテープをきっかけに、再び村を訪れる決心をする。逃げ出したはずの2人を、かつての“家族”=アルカディアの住人たちは優しく迎え入れる。不思議なことに、彼らの外見は10年前とまるで変わらないように見えた。やがて2人は次々と村で起こる超自然的な出来事を目の当たりにする。それは全てカルト集団によるトリックなのか?
果たして、 この村では何が起こっているのか?
filmarksより
予告編
カルト宗教ものかと思いきや...
どこかおかしい村人たちの様子。しかし、人々のふるまいそのものは、どこまでおかしいものではなかった。
徐々に、兄弟たちは気が付き始める。
おかしいのは人ではなく、村の何かだ、と。その何かの存在を感知し始める。
巨大な影や、目に見えないなにか。
そして、何者かに監視されている気がする。
村の中にいながら、超常的な何かを感じ始めるのだ。
この村の真実とはいったいなんなのか?
ここからさきは、ネタバレになる。
ループする村
彼ら村人は、ループの中にいたのだ。
ある特定の周期が来ると、彼ら村人はみずからの命を「神のような存在」へとささげるのだ。そこから、また新たなループが始まる。村人たちの場合、3つの月が満ちるのがタイムリミットのようだ。どのように、命が奪われるのかの描写はないが、後には村人たちの残骸のようなものが転がっていた。
一方、村人たちのなかにも、その「神のような存在」へ反抗するものたちもいた。彼らは、命をささげるのではなく、自殺することによってループから抜け出そうとしたのだ。しかし、彼らも自殺をしたときからループへとはいってしまい、逃れられない。
神とはなにものか?
神のような存在については、ほとんど描写はない。何者なのか、どんな目的をもつのか説明はない。
・観察しているということを示してくる
・ライオンや蛇に姿を変えて、目の前に現れる
・巨大な影のような姿が本体
それに、そもそもどうしてあの村は誕生したのだろうか?村人たちはどこから来たのか?最初のループはどのようにしてはじまったのか?彼らはそのループを最初から知っていて、集団を形成したのか?
村人たちがループを受け入れている理由はなんなのだろうか?
疑問がたくさん残ってしまう。抽象的で説明が少ない映画である。
その分、暗喩として様々なシーンが印象的ではある。
兄弟の成長と選択
兄が支配的だった兄弟関係。彼らは、最後の最後に互いの意見を認め合い、互いの言うことに耳を傾ける。その結果、村に残りたがっていた弟も兄と一緒に村を出ることを選んだのだった。
この作品のテーマの一つとして確かなのは、次のようなものだろう。
「平坦で満ち足りていない日常を過ごすか、幸せだけど決まりきったループを繰り返す人生か」
この2択が一応のテーマだと思う。
さらに、「決まりきったループ」、これを言い換えてみたい。「何者かに支配されて、自分の人生を他者に任せて生きる」ということではないか?
抽象すれば、自分の人生、他者に任せていていいのか?ということだ。
この他者を「神」に置き換えてみれば、あの村という空間のできあがりである。
つまり、村人たちは自らの選択で人生を生きることを放棄したものたちなのだと思う。それが「神のような大きな存在」に象徴されている。兄弟たちは、自分たちの意志で選択をした。その結果、あの村にとらわれずに済んだのだと思う。
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