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ウインドリバー 【ネタバレ・考察・解説】 アメリカに残る不都合さの生贄は「少女」

記事の内容

映画「ウインドリバー」を見たので、その感想をまとめたい。この映画の見どころは、

 

少女殺害事件からみえてくる、アメリカという国の闇である。

 

 

そして、この映画を読み解くための、アメリカという国の背景についても押さえておきたいと思う。事実をもとにしている分、こうした背景を押さえておくことが大事だと思う。

 

ネタバレが含まれるので、ご注意を。

 

 

 

 

あらすじ

 

 


ウインド・リバー

 

ワイオミング州ウィンド・リバー保留地英語版FWS(合衆国魚類野生生物局)の職員、コリー・ランバートは荒野のど真ん中で少女の死体を発見した。FBIは事件の捜査のために、新人捜査官のジェーン・バナーを現地に派遣した。自然の過酷さを甘く見ていたバナーは、捜査に難渋することとなった。そこで、バナーはランバートに捜査への協力を依頼した。2人は荒れ狂う自然と剥き出しの暴力に直面しながらも、ネイティブ・アメリカンの村社会の闇を暴き出していく。

wikiより引用

 

少女の死体が見つかり、その真相をさぐっていくという流れ。

 

 「実話をもとにしている」というところがポイント。

 

映画の冒頭、ラストの両方で、この視点が強調されている。監督のメッセージの強さがわかるだろう。

 

監督・脚本:テイラー・シェリダン(『ボーダーライン』『最後の追跡』脚本)

出演:ジェレミー・レナー(『アベンジャーズ』シリーズ)エリザベス・オルセン(『アベンジャーズ』シリーズ)など

 

 

 

 

この映画の背景 アメリカの不都合な闇

 

タイトルのウインドリバーとは、ネイティブアメリカンの保留地の一つである。そこに、かれら先住民は追いやられてしまっているのだ。そこには、「差別」という壁が起こっている。

 

現代のアメリカにおいて、このような先住民保留地は100か所ほどもあるらしい。

 

そして、その差別の具現化こそ、この映画が扱っていることだ。その保留地で起こる事件がきちんと調べられていないというのだ。失踪者、死亡者数が、きちんと調べられてすらいないのだ。

 

アメリカという国の本体には、このような不都合なところがある。そしていまでも、この映画のように、その「差別」は効いているのだ。このリアルさを、重厚に描いたのがこの映画のおもしろいところだった。

 

 

 

 

 

ネタバレ・真相

 

そして、この映画の筋こそ、「少女ばかりが殺される」というものだ。その真相とは、原住民のやり場のないストレスのはけ口としてターゲットにされてしまっていたのだ。

 

この物語の少女の死の原因も性的暴行だった。

アメリカという国の構造という大きなものの犠牲こそ、それぞれ生きている少女たちなのだ。不都合な生贄である。

 

その真相に、捜査のはてに行き着く。

 

 

 

 

 

それでも生きる強さ

 

この不都合な構造には、登場人物たちも気が付いている。

 

主人公である男も、実の娘を失っている。そんな彼が、現実の構造と大事な人の死を受け入れている姿が印象的だった。現実を認識しつつも、静かに怒っている。

 

彼は、犯人にたどり着く。そして、その犯人を被害者と同じ状況で、私刑に処す。

 

被害者は、雪の中、はだしで10キロも歩いて息絶えた。

犯人もチャンスをもらえたのだが、すぐに息絶えた。

 

このように、人の強さも描いている映画だった。

 

生きようという強さ。大事な人の死を受け入れる強さ。これも、先住民保留地という大きな壁という構造が背景にある分、よりはっきりしている気がする。

 

 

 

みなさんはどのような感想を持っただろうか?

リアルを重視した鋭い映画だと思う。アメリカ本土での反応も気になるところだ。

 

 

 

 

 

 

 

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